PART V遊びと創造のアート24好きを極める
人間、好きなものには詳しくなる。
なぜかといったら、気になるから関係あるものをどんどん集めたり比べたりするようになる。繰り返しいろいろ見聞きしたものは、普通の人が気づかないところまで見えるようになったりするものだ。
例えば、本やポスターやウェブのデザインが気になる人は、デザインを見かけるたび「おや、これはなんていう書体かな」「こんな色は見たことがないな」「この文字の並べ方はなんだか気持ちいいけどなんでだろう……?」だなんていろいろ考え始める。
そんなふうにたくさん経験を重ねていくと、目や耳や感覚が肥えて、こまやかな違いも感じ分けられるようになるわけだ。分野を問わず、超絶技巧の職人技もそんな経験から生まれてきたりする。
だからもし、すでに好きなものがある人は、いいと思えるものも、そうでないものも、ともかくどんどん集めて比べてみよう。
例えば、ともかくチーズケーキを食べ比べる。ファッションショーの写真を集めて並べてみる。囲碁の名人戦の棋譜を端から検討してみる。なんだっていい。ちょっとそのへんの人がやらないくらい、どんどん極めてみよう。その先に道は開ける。
でも、まだ好きなものが見つかってない場合だってあるよね。そういう場合は焦らずに、まずはいろんなものを見てみよう。見ていくうちに、こっちよりはこっちが気になるかもと、自分のことが分かってきたりするから。
157こんなところにもデザイン
ポスターづくりがすぐに上達!
学祭のポスターやチラシにも、特別目を引く1枚がある。どのフォントで、どの色で、どんな配置にすると、いい感じになるんだろう? 実はこれらはセンスではなく、コツがあった! 現役デザイナーが、図やイラスト、写真で、具体的に教えてくれるドリル的ガイド本。文字をキャラに見立てたり、色と記憶に関係があったり、そっか、センスってこうやって磨くんだ。
158みんな、デザイナー
スプーンはなんでこの形なの?
スライドするドアに突っ込んだり、引くドアを押してしまったことがある人! あなたは悪くない。悪いのはドアのデザインだ。認知科学者ノーマンが、人と道具の関係を分析し、初めての人でもすらすら使える「良いデザイン」の秘密を明かす。未来のプロダクトデザイナーは必読。日常生活でデザインが気になり始める。
159文字をいじる
実は、文字の形を設計する人がいる
書体(フォント)デザイナーという職業を知っているだろうか? パソコンに入っているフォントや、たったいま目にしてるこの文字も、彼らが何年もかけて丁寧に作っているのだ。マンガのフォントも、太さが少し違うだけで、別人の声に聞こえるから不思議。文字職人のこだわりを知れば、感動しまくるはず。文字の世界は奥深い。
160流行をつくるファッション
絵でファッションの歴史を見てみよう
今でこそファッション誌はほとんど写真だが、長い間ファッションを伝える王道はイラストだった。今から100年前、服装がモダンに一変した時代、偉大なイラストレーターたちが誕生した。140人以上による400枚の絵から、ファッション×アート×歴史がわかる。スエードや羽根やエナメルの革靴や網タイツに惚れ惚れしてほしい。
161職人技を磨く
イケてるおっちゃん職人ずらり!
半年待ちの鉄鍋「バーミキュラ」鋳造職人・田原さん、火の粉で顔を洗う4代目花火職人の細谷さん……日本の技術を支える職人たちはヒーローだ! 39職種10人の名工たちの働き方を、マンガ『とろける鉄工所』の作者がほのぼのイラストで解説。どの職人に弟子入りしたい?
162食べるのも仕事
オドオド皿洗い係、一流シェフへの道
芸術の都・パリでは、料理人だって芸術家(アルティスト)。有名レストランの皿洗い係ジルベールは、いつも叱られてばかりのダメキャラ。でも彼、実は、動物なみの味覚と嗅覚を持つ天才料理人だった! 気弱ボーイの大胆な調理姿に惚れぼれ、お腹はグゥ〜。かなり本格派の、料理マンガだ。
163スポーツで働く
スポーツを支える人になりたい
スポーツを仕事にするのはアスリートだけじゃない。最近は「支える」仕事にチャンスが増えている。スポーツジャーナリストの著者が、大学のスポーツ関連学科や、メンタルトレーナー、アスリート広報など、急成長する職業の今をレポート。自分が競技するよりやりがいあるかも!