柔道整復師は人を前向きにできる仕事です。脱臼やねんざなどのケガをして、スポーツができなかったり日常生活で困ったりしている人たちをサポートし、手技や物理療法で回復させることで試合に出られるようになったり仕事に復帰したりする手伝いをすることができます。やりたいことができずネガティブになった人をポジティブにできるのが、大きなやりがいです。また、ケガの施術だけではありません。スポーツトレーナーになれば、アスリートの運動能力を高め、パフォーマンスをアップさせることも可能です。すなわち人の「できない」を「できる」に変えることができる、それが柔道整復師の魅力でしょう。私は授業を通して知識や実技を教えるとともに、この魅力を学生に伝え、柔道整復師を目指すみんなの可能性を広げる手助けをしたいと考えています。
授業は「柔道整復機能論」や「解剖学」などの専門基礎科目を担当。「人の骨や関節、筋肉を構造から説明し、どうなれば脱臼や骨折などをしやすいのか、また回復させる施術法はどうするのかを教えています」(高橋先生)。授業中は、治療経験を話しながら許可を得た患者さんの症例を映し出します。重要なポイントは何度もリピートすることで、視覚的にインプット!頭に残るような工夫がたくさんあります。「『解剖学』と聞くと難しいと思うかもしれませんが、施術に直結するのでとても重要で、かつ面白い分野です」。
どんなにAIが発達しても、人と直接関わって支えるこの仕事はなくなりません。柔道整復師になって自分はどんな分野で活躍するのか、一人ひとりが具体的な未来をイメージできるように全力でサポートします。
中学から柔道を始めて大学まで打ち込む。大学では工学を専攻したが、就職活動のタイミングで柔道に関わる仕事を希望し、専門学校に進学。柔道整復師の国家資格を取得した。約6年間臨床の現場に携わり、スキー場や柔道の大会で救護も経験。脱臼や骨折など多数の症例に携わる。その後自分の経験を後進に伝えたいと考え、教員資格を取得。柔道4段。1年生の担任を務め、柔道部の指導も行う。ブラジリアン柔術にも取り組んでいる。