希少種の保全に飼育者の立場から貢献するため、本校の敷地内に設置された「野生生物生息域外保全センター」に勤めています。以前は札幌市円山動物園に勤務していました。この経験を活かし、飼育技術の確立や飼育下での知見の集積などを行っています。身近な生き物が誰にも知られることなく絶滅することがないよう、生息域内で活動している研究者や国の機関などと連携して、域外保全に向けた研究を進めています。現在は、繁殖地と越冬地の朗報で脅威にさらされ、個体数が激減しているアカモズの保全に取り組んでいます。北海道エコの動物医療飼育学科希少生物保全コースでは、野生生物を守るために何が必要か、域外保全の最前線を体験することで、学びを深められると同時に、進路の選択肢を広げることができます。
飼育演習では哺乳類や鳥類、爬虫類に両生類、魚類など、学内にいる多くの生き物を飼育することで、それらを健康に生かすためには、どのような環境が必要なのかを実践的に学べる。また、標本づくりやトレーニングの仕方、動物が亡くなった際には解剖を行い死因を探るなど、飼育に役立つ知識と技術を幅広く身に付けられる。今井先生は「生き物の体調や状況の微妙な変化を感じ取り、何が必要かを考えて、しっかり話し合い情報共有することが大切です。日々の実習を通して、実際の飼育現場で役立つ力が着実に養われます」と語ってくれた。
校内には様々な生き物がいて、飼育を通じて多くの知識や技術を身につけることができます。座学の科目も充実しているので、学びたい分野をとことん追求でき、貪欲にチャレンジすることで、道も大きく広がります。
専門:動物飼育/北海道エコ・動物自然専門学校動物飼育学科卒業後、よこはま動物園ズーラシアで3年、札幌市円山動物園に4年勤務。飼育の立場から絶滅の危機にある生物の保全に取り組むため2023年4月より一般社団法人野生生物生息域保全センターへ。同時に教員として動物飼育学科で飼育実習等を担当。休日はフィールドワークで野生動物の調査や登山へ行くのが定番の過ごし方。