介護老人福祉施設等において高齢者を対象にしたリハビリテーションに携わっています。そこでは、病気や怪我による身体機能の回復や日常生活を取り戻す急性期や回復期とは異なるリハビリテーションが求められます。生活の中で身体が思うように動かず困っている、生活に必要な動作がうまくいかないなど、より良い生活を送っていくために、いかに理学療法を活用していくのか。高齢者の日常に密着しながら生活期のリハビリテーションの確立をめざしています。急性期や回復期では医学的な観点が中心になり、日常生活に戻るというゴールも明確です。しかし、生活期は、あらゆる生活の場面が対象になり、高齢者の訴える悩みも多岐にわたるため、より広い視点でリハビリテーションを考えていく必要があります。その手法を現場で検証し、授業にも反映しています。
1年次前期の「リハビリテーション概論」では、リハビリテーションの基礎知識はもちろん、障害を持つ方をどのように捉え、関わっていくのかを学生と一緒に考えながら理学療法士に必要な視点や思考を養っていきます。臨床現場では、自ら考え、様々な人とコミュニケーションを取りながら考えを広げていくことができる能力がとても大事です。そのため、入学直後から3年間を通じてグループワークやディスカッションを多用した授業を展開。知識や技術だけでなく、臨床現場で常に考え行動できる力を持った人材を育成します。
夜間3年制である本学科には、志を強く持った社会人学生が多く在籍しています。そうしたクラスメイトと学ぶことはとても刺激的であり、夢をめざすモチベーションをさらに高めてくれるに違いありません。
一般病院に約8年間、理学療法士として勤務した後、大阪リハビリテーション専門学校において教鞭を執り、現在に至る。高齢者の生活期を対象にしたリハビリテーションに携わり、その向上と普及、同領域を専門とする理学療法士の育成に力を入れている。
「理学療法学科は専門実践教育訓練指定講座※に認定されています。社会人学生も応援・サポートします」と話す。(※受給には条件有。詳細は厚生労働省HPへ)