統合失調症をはじめ、うつ病などの精神疾患を専門分野としています。関心をもつきっかけとなったのは、統合失調症の回復率の低さ。発症後、病前の環境に戻れる方はおおよそ16%とされており、これを「なんとかしたい」と感じました。その後は、病院で勤めながら博士課程へと進み、さらなる学びを追究。学びや研究の成果をすぐに現場で応用できる環境は非常によいサイクルであったと感じています。現在、強く関心を寄せているのは、精神疾患の「予防」です。先の通り、精神疾患は発症後の回復に困難があり、大きなエネルギーと、場合によっては入院治療なども必要となります。しかし、関わりのスキルや自身の感情をコントロールする術を学ぶことで、予防につなげられたら、特に、思春期をはじめとした若い世代の生活によい影響が与えられると思うのです。
思春期から青年期は精神疾患の好発期。無意識的な考え方の癖に気づき、対処法を学ぶため共に問題に取り組む
武田先生の担当授業は、1年次の基礎科目と3・4年次の臨床実習に備えた専門科目が主となります。特に「人体の構造と機能及び疾病」(1年前期)、「精神疾患とその治療」(1年後期)においては、人体の構造や機能の異常が“心”にもたらす影響と、精神疾患に至る状態と治療・支援について詳細に学びます。授業の際、先生が重視しているのは医療現場での自身の経験に基づいた指導と、将来、学生たちが心理専門職として臨床に立った時に役立つ実践的な知識を伝えること。医学、社会支援制度など心理専門職が網羅すべき内容も学べます。
心理専門職に求められるのは、相手を見つめる深く広い視野。個別性に合わせた関わりが患者の支えになります
心の病は目に見えず、自分でも気づかないことがあります。一人ひとりの心に必要な支援と、助けを必要とする人へ届ける方法をともに学びましょう。大切なのは関心をもつこと。そして一歩を踏み出してみることです。
「認知行動療法」をはじめ、目的に合わせた心理検査と読み取り方も修得。結果を踏まえ心理的支援につなげる
専門分野/臨床心理学
略歴/徳島大学大学院総合科学教育部 臨床心理学専攻を修了後、心理専門職として徳島大学病院へ入職。患者への心理的支援を行う中で、より高度な専門性の修得の必要性を感じ、徳島大学大学院医科学教育部 医学専攻(博士課程)にてさらに学びを深める。博士(医学)。2022年4月より現職。講師。
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