取り組んでいる研究テーマは「ソフトマターのメタサーフェス応用」です。ソフトマターとは分子や原子の結びつきが弱い柔らかい材料のことで、スマホにも使われている液晶もその一つ。今後はその液晶を使い、メタサーフェスデバイスに利用したいと考えています。サーフェスとは表面のことで、普通の表面は光や電磁波が45度で入ってきた場合45度で反射しますが、メタ(超)サーフェスでは表面を自由に設定し、光や電磁波を好きな方向に反射させることができるようになります。これから5Gの高速通信網が普及すると、街中が電磁波で溢れるようになりますので、私はそこに液晶を使って、電磁波の進み方などを効率的にコントロールするデバイスの研究を行っています。今後は、電波の制御装置としての利用提案も予定しています。
演習科目である知能メカトロニクス通論IIでは、アルディーノというマイコンボードとIC温度センサ、7セグメントLED表示器を組み合わせた「デジタル温度計」を作ります。実際にモノを作りながら、座学の講義で得た知識と製品との間を結びつけることで学習のモチベーションが高まります。知能メカトロニクス学科は様々な分野の知識を組み合わせて1つの動く物を作るということがベースにあります。例えば、ロボットは機械工学や電子工学、情報工学といったあらゆる分野の知識が必要です。いろんな分野に触れられる点がこの学科の魅力です。
進路を選ぶ時、自分はどんなことをやりたいのかが分からない人もいるかもしれません。そういう人はキャンパスで探してみてはどうでしょう。1、2年生で様々な話題に触れ、3、4年生で専門分野を深く学べますよ。
1972年生まれ。専門分野は電子工学。秋田大学、秋田大学大学院博士後期課程鉱山学研究科システム工学専攻修了。秋田大学では電気工学科で学び、モーターなどについて学んでいたが、半導体などの電子材料を扱っている研究室との出会いから液晶の研究をはじめる。卒業生の研究発表で「液晶は電圧をかけると屈折率が変わる」と聞いたことがきっかけ。「屈折率が変わるとは思っていなかった」という驚きから興味を持った。