建築業界には幅広い職種がありますが、どの職種に就いても必要となるのが設計製図と建築計画の基本的な知識です。なかでも設計図を読み理解する力はとても重要なので、私の授業ではプロとして設計図を読む力の育成に力を入れています。自宅やカフェなど、私たちは普段あらゆる空間で過ごしていますが、その場所が正確にはどのぐらいの広さなのかはあまり意識していませんよね。実際入学して間もない時期に「ふたりの人が快適に入れる空間を作ってみよう」という課題を出してみると、意外と難しく、戸惑う学生が多いんです。そこで授業では、身近にあるさまざまなものを計測し、長さの感覚を正確に身につける訓練を行います。身体や感覚で「長さ」が把握できるようになることが、プロとして設計図を正しく読む力につながっていくんですよ。
入学後はまず座学で建築の部材や名称を学んだ後、設計製図・建築計画・図学・基礎デザインなどの基礎を学びます。その上で1年の後期から住宅の設計に取り組みます。「建築の専門知識が0の段階からわずか数か月後に設計ができるのは、専門に特化した分野を無駄なく学ぶことができる専門学校ならではのメリット」と丸山先生は語ります。作品を作った際は、必ずプレゼンテーションを行います。クラスメイトの作品を見たり評価する機会が多いので、刺激がたくさん。互いに切磋琢磨しながら自分自身の知識と技術を広げていくことができます。
理数系が苦手だけど建築の仕事に興味がある人も大歓迎!数学は中学までの知識でカバーできますし、足りない部分は授業でフォロー。ものづくりが好きという気持ちがあれば、建築業界での活躍の場はたくさんあります。
北海道東海大学芸術工学部建築学科卒業。いくつかの設計事務所勤務を経て2016年日本工学院八王子専門学校に入職。建築計画や設計製図の授業を担当するとともに、学生の就職指導にも力を入れている。「学生の個性が活かせる場はどこかを考慮し、一人ひとりに合った就職指導を行うことを心掛けています。そのためにも学生の話に耳を傾け、生徒をよく知るようにしています」(丸山先生)