造園に関する職業で重視するべきポイントに、取り扱う対象が植物であり、竣工後も成長していくことがあげられます。計画・施工の段階で、植物が大きくなったり姿を変えたりした情景までイメージする必要があるからです。こうした課題に対応するため、繊細さと遊び心が必要であることも学生に教えています。また、伝統的な技術を受け継いでいくことも、美観の維持には重要。今後、造園に対する世間のニーズが変化する可能性もあり、これらに対応するための基礎知識や観察能力も身につくように指導しています。庭園は様々な得意分野をもつ職人が力をあわせて作り上げるため、協調性などの人間性も欠かせません。産官学連携の実習を通して、近隣の方や社会で活躍している方と交流し、実際の現場で実習することでコミュニケーションスキルを高めています。
実務に沿った授業を展開している窪田先生。その授業方針は、調査・計画・施工までを順序立てた科目構成にも表れている。座学と演習・実習を組み合わせた授業形式、産官学連携により実際の現場を実習の場として利用していることで学びの理解度を向上。教科書には掲載されていない話や実務体験談・失敗談も語り、就職後にギャップを感じないよう配慮している。役所との共創プロジェクト「大野川緑陰道路コミュニティ広場計画」で学生を指導。学生がデザインした蜂の巣型(六角形の集合体)をモチーフとした独創的なアイデアが採用された。
人間も植物も、そのままでいることはなく、今よりもっと良くなろうとします。造園の仕事は、植物の成長や変化する様子を見たり、自らが失敗を経験することで、植物と一緒に自分も成長できる貴重な職業です。
専門:造園
修成建設専門学校ガーデンデザイン学科を卒業後、近鉄造園土木株式会社に就職。主に京都や奈良の日本庭園の企画提案から調査、設計、工事の実施に携わる。担当業務の割合は造園7割・土木2割・装飾関係1割。2017年、母校のガーデンデザイン学科の教員に転身。専門は造園植物I・II、造園技能実習、緑地空間表現法、コンピューター演習I・II、CAD・CG演習、庭園デッサン、植物管理、ワークショップI、建設概論と幅広い。