1987年、当時生まれたばかりのPCR検査について米国で学び、初めて日本国内に臨床検査の技術として持ち込みました。「ミスター遺伝子検査」と呼ばれて久しい頃、横浜港で新型コロナウイルスが発見された2020年から第8波までPCR検査の精度管理を切り盛り。第5波ではスポーツの大規模国際大会でPCR検査の指導責任者を担当。国際空港検疫での水際対策や検査精度管理の指導を行い、国際大会は無事開催できました。この経験から医療や健康分野に留まらない臨床検査技師としての新たなポテンシャルを実感。安全な大会運営を検査がサポートすることで社会に勇気と感動を与えることを感じました。第6波では無料PCRセンターが一気に広がり、国民の社会生活を支えました。臨床検査技師を目指したいと考えている人に是非知って頂きたいです。
国家試験合格のための秘訣は、試験問題作成の仕組みを理解し効果的に勉強すること。問題作成委員長を経験した宮地教授が、作る側の意図を伝え、背景にある理論を教えることで学習するコツを指導します。また病院での臨地実習に向けて行うのが「スパイラル学習」。授業と実習をスパイラルすることで理解度を高めます。検査関連の情報システムや検体の到着から分析、結果報告までの流れなどを、現場に入る前の基礎知識として学び、さらに毎週土曜日の授業では実習で経験してきたことを復習し、理解度テストを実施。国家試験合格へ導きます。
検体の採取から分析、健康管理まで、幅広い責務を担う臨床検査技師。近年の高度医療の展開によりその重要性は高まってます。医療・医学への関心、相手への共感といたわりが大切です。一緒に頑張っていきましょう。
専門分野は、検査血液学、遺伝子検査学、感染制御学。慶應義塾大学医学部卒・東海大学医学部臨床検査学教授。臨床検査の国際標準化、PCR検査の精度管理、国家試験の問題作成委員長など幅広い経歴を持つ。宮地教授が提言する「医療人のやりがいと小さな夢を育む9か条」には未来を輝かせるヒントが詰まっている。「人の助けになりたい気持ちが大切」「若いときの学びは人生の肥やし」「草花より実のなる木を目指そう」(抜粋)。