約46億年前の太陽系初期から惑星に取り込まれなかった生き残りが彗星や小惑星です。これらの小天体を調べることは、太陽系の進化と生命の起源について知ることに繋がります。私が取り組む研究は、探査機による小天体の直接探査や、小天体から地球や月にやってくる流星体を通した発光現象です。大気中での流星発光からは、流星体の組成、大きさや軌道が分かります。また、月面に衝突した比較的大きな流星体は、月面衝突閃光として観測されます。これらの自然現象を理解するため、人工衛星を使った人工流れ星実験や、超高速衝突実験施設を応用した衝突発光の基礎実験にも取り組んでいます。その他、電波と光学による流星観測、望遠鏡による小惑星観測・太陽系外惑星観測、探査機搭載カメラの開発など、観測・探査・実験・開発と幅広く取り組んでいます。
「先人達が既に道筋を立てて解いた問題を学ぶことが勉強であって、研究とは、答えの分かっていない課題を考えることです。もちろん、研究に必要な知識やスキルを身に付けるために勉強は必要ですが、それは手段であって目的ではありません。この研究をやって何の意味があるの?という考えは捨てて、自分の知りたい宇宙の科学を探求してください」というのがモットーの研究室。宇宙に関するさまざまな研究をしている本研究室なら、アイデア次第で新しい研究テーマを発見できるかもしれません。
本研究室は自分の興味を深く掘り下げていく場だと考えています。学ぶべきことは多く、平坦な道ばかりではありませんが、情熱があれば自分の可能性を広げることができる環境があります。ぜひ挑戦してください。
専門:宇宙科学、惑星科学、天文学
略歴:1996年、日本大学理工学部航空宇宙工学科卒業。2001年、総合研究大学院大学数物科学研究科天文科学専攻修了(博士)。同年、宇宙科学研究所固体惑星研究系 MUSES-C(はやぶさ)COE研究員。2003年、日本学術振興会海外特別研究員。2005年、神戸大学大学院 理学研究科地球惑星科学専攻、2008年、台湾・國立中央大学天文研究所を経て、2013年から現職。