最近、ニュースなどでAI(人工知能)の話題に触れますよね。「AIはいつか人を超えるのか?」という議論もありますが、現在はまだ将棋や画像認識など狭い範囲の問題にしかAIは成功しておらず、人間の知能には遠く及びません。私の研究テーマである「創発システム」は、コンピュータに自己学習能力を設計することでシステム自らが環境に最適な形に適応していく仕組み。具体的には現在、企業との共同研究でゴミ焼却炉を知能化し、作業を全自動化する取り組みを行っています。これまで人間が行ってきた仕事を全自動化するというと「人間の仕事が奪われるのでは?」と思われるかもしれません。しかしこれまでに機械やコンピュータが開発されてきたことと同じように、技術革新によって人はより快適な暮らしや創造的な仕事に就くことが可能になるのです。
マッキン先生が所属する「知能情報システム研究室」では人工知能を応用しながら、ゲームやアプリケーションの開発技術を学んでいく。「ゲームが好きだからゲームをつくりたい」という学生は少なくないが、マッキン先生は「ユーザーとしてではなくつくり手としてゲームと向き合えるよう、意識を変えることが大事」と語る。そのため、まずはプログラミングよりもアイデアを重視。楽しいゲームとそうでないゲームの違いは何か?夢中になれる仕組みとは?など心理学的な視点から分析し、4年次からは実際にソフト開発に挑戦していく。
学生の間はとにかく失敗を恐れず挑戦していい。失敗してはじめてその原因を調べることができる。失敗しても諦めずに再チャレンジする力強さを身につければ、その力は社会に出てからキミを助けてくれるはず。
専門分野:知能情報システム。略歴:レンセレア工科大学卒業後は富士通(株)に入社。ソフトウェア事業本部にてソフトウェア開発に10年ほど従事していた経験を活かし、人工知能の産業利用をテーマに研究を進めている。「知能情報学」「知的プログラミング」などの授業を担当。