BL(ボーイズラブ)をはじめとする女性のマンガ文化やポピュラー文化について研究しています。1970年代、少女マンガのサブジャンルとして読まれていた少年愛もの。それがBLというジャンルへと発展し、現在は男性同士のカップルの恋愛物語を様々な場で楽しめる時代になりました。こうしたジャンル形成の過程を、マンガのメディア史や物語・キャラクターの特徴の変遷、作家やファンの語りなどから考えています。また、少女マンガに描かれる恋愛や友情の物語が読者に伝えるメッセージにも着目。ジェンダーやセクシュアリティ、家庭と仕事、ルッキズムの問題など、人々の生き方に深く関わる課題がマンガの中で提起されることもあります。マンガを学問として捉えることで、こうした現代社会の課題に迫り、解決するためのヒントが得られればと考えています。
西原先生のゼミでは、マンガ、エッセイ、小説、ノベルゲームなどの「現代テキスト表現」をテーマに、学術的な文献を講読するほか、ゼミ生のおすすめマンガのビブリオバトルや作品のレビュー執筆といったゼミ活動をしています。2023年度は3年生の共同研究として「マンガを原作とする映像作品や舞台化作品の表現の変化」をテーマに、アダプテーション論の視座から研究を実施。時代を超えて映画やミュージカルなどに翻案される作品の、発表時期やメディアの違いに基づく物語内容やキャラクター造形、メッセージの変化について検証しました。
文学、社会学、メディア学、歴史学、美学、映像学といった多様な視点から、マンガやポップカルチャーを研究できるのがこの学科の魅力。知識を広げることで、「個人の感想」を超えた素晴らしい研究ができるはずです。
専門:マンガ研究、ポピュラー文化研究、ジェンダー・セクシュアリティ研究
同志社大学文学部社会学科新聞学専攻卒業。同志社大学大学院社会学研究科博士後期課程退学、博士(メディア学)。
愛知学泉大学家政学部ライフスタイル学科講師、名古屋短期大学現代教養学科准教授を経て、2023年より現職。担当する科目は、3・4年生のゼミのほか「マンガ論」「現代文化概論」「現代文化表現学特殊講義(ポピュラーカルチャー)A」など。