私のゼミ「栄養生理学研究室」では、スポーツ栄養学の研究と栄養サポートを行っています。例えば駅伝の強豪として有名な東洋大学の栄養指導は10年以上続いていて、ゼミに所属する学生もその実務を通し実践的に学んでいます。そして今回伺っているのは東京大学・野球部の練習場です。まず選手たちの体の状態を測定する栄養アセスメントを行い、その結果を元に、今後どのような食事をどのようなタイミングで摂取していくと効果的なのか指導していきます。近年プロ・アマを問わず「勝つチーム作り」を科学的に行う動きが進んでいます。人間の体の基本を作る食・栄養は、どのような練習をするのかと同じくらい重要な要素であり、スポーツの種類によっても異なるため、栄養学を学ぶ人材の活躍の場は今後ますます広がっていくと考えられます。
今回は野球部員70名の栄養アセスメントを実施。ゼミで学ぶ学生は、こうした現場で素早く効率的に測定を進めるために、選手とうまくコミュニケーションを図りながら機器を操作できる力が必要です。また究極の個人情報をお預かりするわけですから、信頼される対応や正しい情報の取り扱い方ができる人間性を磨くことも大切です。将来スポーツの分野で活躍したいという学生はもちろん、他の分野を目指していても、学生のうちに好きなスポーツに関わる栄養学を勉強したいなど、多様な学生が大きな興味を持って学んでいます。
活動の最終目的は提携チームの選手に最適な食事や栄養の指導を行うこと。スポーツですからどんな種目であれ必ず結果が出ます。目標を共にし一緒に努力し喜び合う、そんな活動にぜひ一緒に取り組んでみませんか!
専門:栄養学。徳島県生まれ。1984年 徳島大学医学部栄養学科卒業。1986年 徳島大学大学院栄養学研究科 修士課程修了。その後、食品関連企業に就職し入院患者向けの流動食の開発に携わる。1991年より女子栄養大学に勤務し、2006年栄養学部教授に就任。大学の卒業研究だったカルシウムと骨の研究を継続。食べることを一歩進め、ゼミでは選手のパフォーマンスが上がり、勝てる身体を作るためのスポーツ栄養学を研究し指導している。