私は長年、大学病院に勤務してきました。今も学生教育の一方、医師として臨床現場に従事しています。その経験を生かして、「健康スポーツと医学の融合」をテーマに学生を指導しています。適切な運動は、心身の健康維持や疾病予防に不可欠であり、生活習慣病のリスクを軽減します。そもそもスポーツの語源はラテン語の「デポルターレ」(物を別の場所へ移す意)で、そこから気晴らしの意味が生まれました。つまりスポーツとは「気分転換」なのです。しかし間違った方法で行うと逆効果になってしまうこともあります。個々の健康状態や年齢、体力レベルに応じた運動プランを、科学的根拠に基づいて指導することが重要なのです。地域の人々の健康づくりに貢献できる教育者・指導者になるために欠かせない医療知識を、学生には身につけてほしいと思います。
同一学科のカリキュラム内で、小・中・高の教員免許が取得できる環境を整えています
「教える際には医師ならではの視点を重視しています」と富山教授が話すように、授業ではスポーツを専門とする学部でありながら、医学をしっかり学べることに大きな特色がある。また地域のスポーツ協会等と協力して、地域住民を対象にしたスポーツイベントに参加するなど、学びのフィールドは学内だけにとどまらない。さらに交流機会の多いゼミでは、人間力やコミュニケーション能力も育まれる。「家に帰れば4姉妹の父なので、それを学生と距離を縮めることに役立てています」と言う富山教授の人柄も、授業・ゼミの魅力といえる。
ゼミの打ち上げ風景。みんなでおいしいものを食べて親睦を深めた
「一生懸命だと知恵が出る、中途半端だと愚痴が出る、いい加減だと言い訳が出る」。これは武田信玄の名言とされていますが、小さな積み重ねこそが成功への道です。コツコツと日々の努力を積み重ねていきましょう。
「学生には可能性しかありません。一つひとつの出会いを大切に、視野を広げてほしい」と富山教授
【専門科目】解剖生理学、救急看護法、スポーツ医学
2002年医師免許証取得。2014年川崎医科大学大学院肝胆膵病態生化学専攻博士課程修了。博士(医学)。川崎医科大学肝胆膵内科学講師、同附属病院肝胆膵内科医長を経て、2022年くらしき作陽大学に着任。2025年4月より新設された健康スポーツ教育学部教授。肝臓専門医、消化器病専門医、産業医、健康スポーツ医、パラスポーツ医、スポーツドクターほか資格多数。
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