健康は、個人の努力だけで守ることはできないものです。健康な社会は、他者との協力、連帯の中で創られると言っても過言ではありません。例えば、疾病=障害ではない、障害は環境によって作られるということ。環境がバリアフリーになれば障害と言っていたものが障害ではなくなります。私は、福祉社会スウェーデンの義務教育学校を訪れ、”健康”、”共生”、”民主主義”のカリキュラムを研究しています。みんな等しく尊いということ、違いを認め合って共に生きること、そして共生社会の基礎である“民主主義”を、こどもたちがどのように学んでいるのかを調査しています。スウェーデンとの比較を通して、日本の良さも課題も鮮明になってきます。これからも、あらゆるこどもを包摂する“みんなのための学校”を目指して研究を続けます。
キャンパスの豊かな自然を活かした養蜂活動。学部学科を超えた学生同士が協同
教育学科では、1年生から「教育と共生社会」という授業で「共生」の概念や「人と人は同じだけど違う、違うけど同じ」という考え方を学びます。ゼミでは、教育学の基礎文献を学んだうえで各自の問題意識に寄り添い、グループ討議を重ねながら、卒業論文の作成を支援します。小学校教諭や養護教諭を目指す学生たちが、教師として学校の課題をよりよく解決していくためにも、自分の問いを探究し続ける力、批判する力、対話力を養うことを大事にしています。学生たちは仲間の信頼関係の中で自由に発言し、対話を重ねながら成長しています。
スウェーデンに何度も訪れ研究を重ねる先生の近著。『スウェーデンの優しい学校ーFIKAと共生の教育学』
貧困や健康格差、いじめなど日本の教育は多くの課題を突き付けられています。すぐ解決することはできないかもしれませんが、多様な1人ひとりを大切にする「みんなのための学校」の実現を一緒に考えていきましょう。
自然豊かな環境を生かした学内事業としてハチミツの巣箱を設置。「養蜂は奥が深くて楽しいですよ」と先生
専門:教育学、健康教育学/スウェーデンの学校を訪れ、共生のカリキュラムの比較研究を行っている。筑波大学人間総合科学研究科博士後期課程修了(博士、教育学)、同大学文部技官・助手を経て、1993年に宮城学院女子大学の講師となる。1995年同大助教授、2007年から現職。同大学院健康栄養学研究科教授も兼任。近著に『スウェーデンの優しい学校ーFIKAと共生の教育学』(明石書店/2024年)がある。
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