主な研究テーマは「小・中学校の理科におけるエネルギーの概念の導入のあり方」。現在の学習指導要領では理科で扱う4つの基本的な科学概念の一つにエネルギーがあります。小学校ではエネルギーという言葉は使わず、光や熱、音、電気等の様々なエネルギーの形態や、変換、保存について扱い、中学校の力学分野等で「仕事をする能力」と表現されます。エネルギーはとても抽象的で実感を伴った理解が難しい概念のため、小学校の段階からどのように導入したらよいかを多方面から研究しています。一例ではアメリカやイギリスの小学理科の教科書。早い学年段階から料理などの身近な科学現象を事例にしてエネルギーという言葉を説明しています。多様なアプローチを参考例に小学生が正しくエネルギーの概念を理解し実生活に活用できるよう日々研究しています。
理科教育法の授業では、理科の歴史や学習指導要領に沿った目標や内容、子どもの科学現象に対するミスコンセプション(誤概念)の理解を深めています。学生が教師と児童役に分かれ小学校の教室を想定した模擬授業も実施。発問の工夫や観察・実験のあり方、結果や考察のまとめ方等を実践的に学びます。ゼミでは、主に小学校の理科で扱う内容を研究対象に子どもの科学に対する見方・考え方の特徴や指導法の理解を深め、教科指導力向上に努めています。最近はプログラミング教材やICT機器を導入した授業方法も学生達同士が討論しています。
学校教員は将来に大きな希望を持つ子ども達を育て社会に貢献できる仕事です。本学科では教員になりたいという共通目標を持つ学生が集まるので切磋琢磨できます。知的好奇心旺盛な方、ぜひ一緒に本学で学びましょう。
専門:理科教育学
宮城県仙台市出身。1999年筑波大学大学院修士課程教育研究科理科教育コース修了。12年間、中学校教諭(理科) (茨城県と仙台市)を務めた後、2014年宮城学院女子大学児童教育学科着任。現在、教育学部教育学科准教授。趣味は理科に関わるモノづくり。休日は100円ショップで工作の材料を探すことも。天体観測、科学館、博物館、美術館巡りも楽しみのひとつ。