コンピュータグラフィックスを使った応用分野の研究に取り組んでいます。例えば、VRを用いた味覚誘発の実験はその一つ。VRの風景画像を3DCGで作り、ヘッドマウントディスプレイを着けてその空間に身を置いたときに視覚刺激のみで味覚は変化するのかを様々な角度から検証。風景空間の色彩によって甘味や塩味などの味覚を誘発することを立証でき、今後の可能性を広げることができました。また、CGを使って視覚情報のみで上手にコミュニケーションができるのかを検証するため、メタバースやアバターの研究にも取り組んでいます。バーチャルなメタバース空間を活用することで学生の意欲に変化は起きるのか、自身の分身となるアバターを介することで行動や発言は変わるのか。リアルとの相乗効果が生まれるように大学の教育環境にも今後活用していく予定です。
視覚情報をクリエイティブに表現するビジュアルコンテンツコースの、2次元CG・3次元CG・3DCGアニメーションの授業を担当しています。CGの絵は、手で描くのではなく画像処理やプログラミングを活用した工学よりのデザイン。キャラクターを創造したり、背景を作ったり、最終的に一つの絵として魅力的な作品に仕上がるよう自由に制作しながら技術力や表現力を身につけていきます。より高度な知識が必要になる3DCGアニメーションは、動きをつけるための基礎技術がメイン。皆、自分の世界観を表現すべく集中してモノづくりを楽しんでいます。
大切なのは、ゲームやアニメーションなどを作りたいという気持ち。ソフト・ハード・コンテンツの3つの分野を学べるため、CG技術+エンジニアなどの知識も掛け合わせて、一緒に新しい価値を創造していきましょう。
1995年宮崎県立宮崎南高等学校卒業、2004年九州芸術工科大学大学院芸術工学研究科博士後期課程(芸術工学専攻)終了。大学院に在学中から企業内でコンピュータグラフィックスを用いたCM制作や立体映像作品等の各種CG映像制作に取り組む。携わったCGが福岡広告協会賞やPPA Award Gold、ACC賞などを受賞。2007年に久留米工業大学に着任し、現在は学長補佐を務める。