航空自衛隊や船の機関士として働いていた私は、乗り物をテーマにした研究に取り組んでいます。そのひとつが、スマートフォンに搭載されているジャイロセンサを使って目的地への運転を誘導するアプリの設計です。カメラの手ぶれ補正などで使われるジャイロセンサは、加速度を測定し、ズレを感知できることが特色です。この研究を応用すれば、海流を受けても常に元の位置に戻る水中ドローンをつくることができます。ドローンで水中の定点観測ができれば、養殖業などに役立つでしょう。このほか、資金がない小さな企業でも導入しやすい産業用ロボットの研究にも注力しています。「単純な技術でどこまで便利にできるか」。それが開発者の腕の見せどころです。そのうえで、人々の心をつかむセンスも求められるのが、ロボットづくりのおもしろさだと思います。
土井先生が担当するのは、『ものの科学E(初学者もわかる物理入門)』。自然法則の基礎につながる基礎物理学について学ぶ授業で、物体の運動、エネルギー保存則、ばね、コンデンサなどについて学習していきます。防衛省の研究職技官を務めた先生が、フライトコントローラーや電子戦機器の技術実用試験に関わった経験を生かし、具体的に分かりやすく解説を行うところが特長です。なお、この授業は、国家公務員一般職(行政)採用試験の基礎試験で出題される基礎的な物理学を学習するもの。公務員を志望する人にもおすすめです。
人に役立つクリエイティブな研究室を一緒につくっていきましょう。また、私が公務員試験を経験したことから、これまでの研究室でも試験対策を行ってきました。多くの教え子が技術職公務員として活躍しています。
専門分野:制御、システム工学
弓削商船高等専門学校 機関学科卒業。豊橋技術科学大学 工学部 生産システム工学課程卒業。防衛大学校大学院 理工学研究科 機械工学専攻修了。防衛庁で研究職技官を務めた経歴をもつ(航空機担当)。研究分野に関連するキーワードとして、人協働ロボット、不整地車両、小型船舶、水中ドローン、飛行ドローンなど。