開発途上国の妊産婦の健康改善をテーマに研究を行っています。助産師として、日本や東南アジアの国々で活動する中で、妊産婦を取り巻く環境や周囲の人たちとの関係性など、その国の文化を背景とした課題があることを学びました。インドネシアでは現地の大学の先生方と協同で、妊産婦や助産師、現地で出産された日本人と現地女性にインタビューをしました。相互の文化の違いを認めながらディスカッションを繰り返すことで、私自身の視野も広がりました。現在は、日本に住む在留外国人妊産婦の看護の課題に関する研究にも取り組んでいますが、出産経験は一生のモノであり、その時の経験はその次の出産や子育てに大きく関わってきます。どんな課題があるかを明らかにして、住む場所や国籍に関係なく、誰もが望む出産を叶えられるようにしていきたいですね。
母性看護学では、女性のライフサイクルにおける健康課題や妊娠・分娩・産褥・新生児期にある対象とその家族へ適切な看護を行うために必要な知識を学びます。授業は講義だけでなく、モデル人形を使用して沐浴の指導や授乳の援助などの演習もしています。国際看護論では世界の健康課題や看護の役割、多様な文化をふまえた看護の必要性を教えています。グローバル化が進む中で、国籍や言語といった表に判る違いだけでなく、その人の背景など目に見えない部分にも洞察力を働かせて、適切に配慮することがより必要になってくると思います。
人を助けたい、人の役に立ちたいという思いやりの心は、看護を実践するうえで大切な要素の一つです。看護の知識や技術がより高度化する中、学び続けていくことも大切です。看護職へのスタートを本学で始めませんか?
専門分野/母性看護学、助産学
略歴/助産師の教育課程を卒業し、関西の大学病院で助産師として産科病棟とNICUで計10年間勤務。その後、大学院修士課程に進学。大学院を修了したのち青年海外協力隊でラオス人民民主共和国に助産師として派遣される。帰国後、山口県立大学 看護栄養学部 看護学科教員となり、現在に至る。