消防隊員としての任務に就いて、2年目を迎えています。私の所属する小隊では、消防署に火災の連絡が入ると、素早く防火服に着替えて消防車に乗る。移動中に火災の状況を確認して段取りを考えます。燃えさかる炎に立ち向かうには勇気が必要ですが、高熱と煙に包まれて動けない人のことを考えると、一刻も早く救出してあげたい気持ちになりますね。そんななかでヤリガイを感じるのは、自分の行動が人命救助につながった時。感謝の気持ちを伝えるためにわざわざ消防署までお越しになる方、手紙をくださる方もいて、仕事へのモチベーションが高まります。出勤日は24時間体制ですが、勤務自体は週に二回と、休みが多いことも魅力です。
父親が刑務官、祖父が自衛官といった環境で育った私は、子どもの頃から公安職に関心を持っていました。私も公安職を目ざそうと調べていたところ「これなら自分を活かせそうだ」と思えたのが消防士です。「人と直接係わり、人の役に立つ仕事がしたい。でも、積極的に前に出るタイプではない」。そんな私にはぴったりだと判断したからです。子どもの頃から柔道を習ってきた私は、現在二段を取得しており、体力には自信があります。高校時代、大原のオープンキャンパスに参加した友人と「一緒に頑張ろう!」と盛り上がったことも大きな理由です。現在は二人、別の消防署に勤めていますが、気軽に本音を話せる良き仲間でありライバルでもあります。
母校は開校して2年目、1年制コースでは私が第一期生にあたり、建物がキレイで学びやすい環境でした。消防官コースには2年制もありますが、「少しでも早く仕事がしたい」「親孝行がしたい」といった気持ちから1年制コースを選択しました。公務員試験対策の授業としては「数的処理」や「推断推理」、「文章理解」などがあります。国語が苦手な私は、特に「文章理解」が難しかったのですが、先生から「書かれていることだけでなく、作者の考えを読み取るように」とのアドバイスを受けて、少しずつ解答力を高めていきました。暗記物も多かったのですが、先生がユニークな語呂合わせを考えて教えてくださるので、スムーズに憶えられました。
高松市消防局 高松市北消防署勤務/消防官コース/2022年卒/わずか1年間で公務員試験に合格し、かつ在学中に漢字検定3級の資格も取得している窪田さん。合格水準に達する道のりは厳しかったが、大原の先生が放課後も遅くまで残って教えてくださるなど、親切丁寧に指導してくれたおかげだという。面接練習では、マンツーマンで数えきれないほど指導してもらえたのだとか。好奇心旺盛で、今後もいろんなことに挑戦したいという。将来の夢について「消防官としてのキャリアを3年間積んで受験資格を得た後は、救急隊員にチャレンジしたい。目の前で苦しむ人を、それまでの消防官とは異なる手法で救いたい」と力強く話された。