神戸アドベンチスト病院で地域包括ケア病棟に所属しています。地域包括ケア病棟は、急性期治療を終えた患者さまが在宅や施設に帰るために準備をする場所。入院中から退院後の生活をイメージし、安心・安全に患者さま自身が生き生きと暮らせるように、身体面や心理面、生活環境など様々な観点から他職種と連携した看護を提供していくことが求められます。中には、日常生活のすべての面で介助を必要とする方も。私は、どのような看護が患者さまの幸せにつながるかを考えて働くことを大切にしています。日に日に体調が回復して笑顔が見られたり、できることが増えていったり、意思の疎通が図れた時など、患者さまの小さな変化が大きなやりがいです。
何か、人の役に立つ仕事に就きたいと思い、いくつかの選択肢から看護師をめざすようになりました。しかし、看護の学びを続ける中で、人に役立つ仕事は看護職だけでなく、どんな仕事も誰かの役に立っていることに気づきました。それでもこの仕事を選んだ理由は、看護実習での体験や、勉強で辛い時期に家族や友人、先生方にサポートしていただいた経験があったからです。患者さまやそのご家族が心身共に弱っている時に、患者さまのニーズを満たす看護が提供できる人になりたいと思うようになりました。
4年間寮に入り、仲間と生活しました。入学当初は初めての寮生活で戸惑い、共同生活の難しさばかりに目がいくこともありました。しかし、自分も相手も心地よく過ごすためにどうすべきか視点を変え行動するようになってから、充実した日々に変化しました。医療の現場においても視野を広げることは大切なことです。看護師だけでは難しいことでも他職種との連携によって実現できるか考えたり、丁寧で効率よく看護ができるようサポートしてもらうなど選択肢が広がります。周りを見ることで互いの不足部分を補うことができ、チーム全体で質のよい看護を提供することにもつながります。学生時代の共同生活の経験が現在に役立っていると感じています。
キリスト教を土台とした三育学院大学は、宗教プログラムを通して神様について学ぶ機会があります。クリスチャンではない私も、祈り祈られる体験は、実習や国家試験勉強など辛い時に心が支えられ、日々の小さな出来事や発見にも感謝できるようになりました。仕事においてもその方の価値観を尊重したり、相手の良いところに目を向けて関わることにつながっています。また、大学で身体だけでなく、心と魂の痛みにも心からの医療を提供し、全人的な回復につなげるためにどのような看護がよいかを学び、実習で実践できました。現在、始業時には祈りの時間があり、忙しい現場に入る前に心を落ち着かせることで、丁寧な看護の提供に結びついています。
神戸アドベンチスト病院 地域包括ケア病棟/看護学部看護学科 卒/2021年卒/三育学院大学卒業後、神戸アドベンチスト病院に入職し、地域包括ケア病棟に配属。「三育学院大学の系列病院である神戸アドベンチスト病院は、スタッフ間の距離が近いため、相談がしやすく、アットホームな雰囲気の中で働けるのが魅力的です。スタッフ間で情報交換を密に行い、患者さまに最高の看護をチームで届けられる楽しさを実感しています」。