私が勤務する tmc はブランディングを強みとしており、デザイナーである私も、ディレクターやコピーライターらとともにクライアントとの打合せに参加します。ヒアリングの内容をもとに現状を分析し、ビジョンやコンセプトを策定したうえで、ロゴやポスター、リーフレットなどの各種グラフィックデザインからWeb、動画まで、一貫したブランディングデザインを提案しています。また、商品開発の案件では、パッケージや広告はもちろん、商品の形状そのものや、販促イベントをデザインすることもあります。一つひとつ考え抜いた意図のあるデザインが世の中に出て、誰かの役に立つのは本当に嬉しく、日々の仕事の励みになっています。
ブランディングに興味を持ったのは、 3 年次の授業がきっかけでした。「積み木をつくる」という課題から、コンセプトやターゲットを考え、ロゴ、パッケージ、リーフレットへと展開。デザイン学科では、1年次に平面と立体を両方学ぶので、立体物も抵抗なく発想できました。統一感のあるブランドイメージを構築するための表現がとても新鮮で楽しかったことを思い出します。ブランディングを学んだことで、デザインの基礎の大切さに改めて気づき、4 年次のゼミナールで、美しいデザインのカギである情報の整理や余白の取り方などを追究しました。在学中に培った知識とスキルがさまざまなデザインを行う上での土台になっています。
tmcと出会ったのは、3年次に行われた学外での展覧会でした。その展覧会には、プロのデザイナーやディレクターなど、学外の方が招かれていたのですが、ブランディングの作品を中心に構成した私のポートフォリオがtmcの社長の目にとまり、就職につながりました。グラフィックデザイナーというと印刷物のデザインを想像しがちですが、時代とともにその領域は広がっています。近年はWebの仕事が増えていますし、映像制作会社から「グラフィックデザインの視点で」という依頼を受けて、動画制作にかかわることも少なくありません。制作環境も進化しますから、今後も自分をアップデートさせながら、新たな表現をアウトプットし続けたいです。
株式会社ティ・エム・シー勤務/メディア造形学部 デザイン学科/2014年3月卒/子どもの頃から工作や裁縫が好きで、「何かを作り出す人になりたい」と思っていたという井本さん。小学生の時、交通安全や愛鳥週間などのポスターで入選し、与えられたテーマをもとに表現することに面白みを感じたのだそう。在学中は、プロのデザイナーとして活躍する教員から「学生なら合格だけど、プロはここまでする」と、経験に基づいたアドバイスをもらいながら実践力を磨いた。「入社後はアシスタントからスタートすると思っていましたが、最初から仕事を任せてもらえました。大学で即戦力として働ける知識とスキルを得られたからだと思います」と語る。