東京・原宿にある美容室SHIMAに就職してから、2011年で8年目。アシスタントからジュニアスタイリストを経て、目標だったスタイリストになりました。今は毎日お客様の髪をカットさせていただくことが楽しいですね。たとえるなら、それはサッカー少年がボールを追いかけているだけで楽しいのと同じ感覚。好きな仕事に没頭できる幸せを噛み締めています。今、僕が追求しているのは1つのベースから2通り以上のスタイリングが簡単にできるカット。スタイリストとしての僕を「買って」くださるお客様に最大限、満足していただきたいですから、自分なりの「売り」を作って美容師の本質である技術を高めていきたいと思っています。
スタイリストになって、新たに加わったのが雑誌の仕事です。サロンワークがお客様と一緒に作り上げるものだとすると、雑誌はゼロから一人で発想して作り上げていく作業。自由度が高く面白い反面、自分自身の感性が試されます。だから、僕は生活のすべてのシーンで感性を磨きたい。アートや音楽はもちろん、自分のなかでオンとオフの区別をつけずに、カッコいいもの、かわいいもの、新しいものなどを常に吸収して仕事に生かしていきたいと思っています。今、一番刺激を受けるのはサロンの先輩。お互いに個展などをたくさん見て、「この作品はどこがいいのか?」、「どうして受けているのか?」など話し合うことで、新たな刺激を受けています。
サロンでは、後輩を教育する立場になりました。SHIMAに入ってよかったと思うのは、しっかりとした社内教育が受けられたことですね。だからこそ、自分も「後輩がこの先歩む美容人生を背負っている」という緊張を感じます。ちょっとオーバーかもしれないけれど、後輩が伸びるのも伸びないのも僕の責任。教育のよしあしが、今後のサロンのクオリティにつながると思っているので、責任感をもって取り組んでいきたいですね。また教えることを通じ、自分自身が新たに学べることもある。お客様との出会いでも、教えられることの連続です。毎日自分の好きな仕事をして、成長していけるのですから、美容師ってすごく幸せな仕事ですよね。
SHIMA原宿勤務/美容科/2005年3月卒/流行発信地・原宿で人気を集めるヘアサロンSHIMAで働く雪丸さん。後輩たちを指導する立場になった現在でもスキルアップに余念がなく、毎日終電まぎわまで練習を続けているという。「毎日お客様の髪を切っている時間が最高に幸せ。めったにありませんが、予約が入っていない時はへこみます」。