越谷児童相談所で児童福祉司として勤務しています。保護者の「子どもとの接し方が分からない」「イライラして手が出てしまう」などの悩み事を聞き、指導したり医療につないだり、市町村と連携して施設に保護するなどの対応をしていきます。心がけているのは、子ども本人の希望を反映させること。在学中に、小学校や学童で心理学の知識を活かしながら、支援が必要な児童のサポートをしていました。その時に感じた「子どもたちの未来をなくしたくない」という思いが、今の仕事を目指したきっかけ。継続して見守っている中で「子どもといっしょにこんなことをした」というお話が出ると、少しはお手伝いができたのかな、とやりがいを感じます。
大学で身につけたことはすべて活きている!と毎日実感しています。ケースに合わせて視点や考え方を変えられるのは、多様な物の見方を学んできたからだと思います。特にゼミでは、テーマだけを提示され調べ方や発表方法などはグループで考える課題が多く、自発的な思考やコミュニケーションスキル、チームワークを鍛える機会になりました。テーマも心理学に限定せず、時事問題に対してできることなど「世の中の動きに心理をどう役立てるか」を常に考えさせてくれるものでした。この大学を選んだのは、少人数制とチューター制に魅力を感じたから。付属の大学院で、公認心理士、臨床心理士の資格が取れるのも大きなメリットだと思います。
今、心理学を学びたい、資格も取りたい、と思っているなら、ぜひ大学では心理学以外の勉強もたくさんしてください!実は、これは私がゼミの先生に言われたことなんです。好きな分野は自主的に勉強しますが、それだけだと視野が狭くなり、社会に出たときに応用がききません。実際に、経済や教育など、全学共通科目のいろいろな授業に出てから心理学の講義を受けると、それまでとはぜんぜん違って聞こえました。たとえば子どもをめぐる問題点に対しても、教育の立場からは心理とは異なる問題点が見えていて、それが衝突の原因になることもある、というように考えられるようになったんです。この視点は、今、仕事をする上でとても助けられています。
埼玉県庁越谷児童相談所 勤務/人間学部 心理学科/2022年3月卒/他の大学を卒業し、かさはらLクリニックで医療事務として10年間勤務。その後埼玉学園大学に入学、10歳以上年齢の離れたクラスメイトたちと心理学を学びました。在学中の、児童の学習支援サポートの経験から、子どもとその家族の課題をいっしょに解決できる児童福祉司を目指すように。保護者との面接、指導は「家族の壊れそうになっているところの修正を繰り返す感じ」と言う小山内さん。生活のベースが整い「がんばっていけそうです」と言われることがいちばんうれしい、と話してくれました。