三菱重工名古屋誘導推進システム製作所では、ミサイルや航空・宇宙エンジン、制御機器などの開発・生産・修理を担っています。そんな会社で、わたしは今、非破壊検査員として働いています。非破壊検査とは、壊すことなく、X線や超音波などを用いて材料や製品に問題がないかを調べること。目で見ても分からない不具合や亀裂などを探る仕事であり、発見できた時は宝を探しあてたような喜びがあります。もちろん、非破壊検査は航空機などの安全性を確保するために実施するものです。検査結果を待つお客様に部品の安全性を伝え、喜んでいただいたときや、設計技術者とともに不具合箇所を改善できたときも、大きな充実感があります。
最初は「航空機に携わる仕事なら何でもいい!」と考えていたんです。ところが、日本航空大学校に進学し、学内の充実した設備で非破壊検査を体験する中で、この仕事への興味が高まっていきました。加えて、指導していただいた先生は企業の品質保証部門で豊富な実績があり、非破壊検査員としての心構えも教えていただきました。例えば、非破壊検査では結果が出なくても一つひとつ工程を進めていく辛抱強さが必要で、その流れを授業でも経験することができました。非破壊検査は、巨大な航空業界から見ると、ほんの小さな分野かもしれません。それでも、決して欠かすことのできない仕事です。その重要性も学生時代に実感することができました。
航空整備技術科(トータルモビリティ技術科)は航空技術のデパートです。航空機を扱うのに必要なスキルを総合的に学べます。「航空機が好き!」と入学時は漠然とした思いで構いません。学ぶ中で自分に合った仕事が見つかるはずです。さらに、営業と整備職を兼ねるサービスエンジニアも見据えた学びが広がり、営業にとって必要なコミュニケーション力も磨かれると思います。“空を飛びたい”という気持ちは、人類が昔から抱いてきた願いの一つ。自分の好きなことを生かし、そんな人類の夢を具現化し、たくさんの人に喜んでもらえる仕事は、とても魅力的です。皆さんもぜひ、日本航空大学校から航空業界のプロへと大きくはばたいてください。
三菱重工業株式会社 名古屋誘導推進システム製作所/航空整備技術科(現トータルモビリティ技術科)/2009年卒/小さな頃から理科の実験などが好きで、興味・関心のある分野で仕事がしたいと考えていた。そんな安藤さんのアンテナに引っかかったのが、「航空技術」だった。日本航空大学校石川に進学し学ぶ中で、進路指導の先生から非破壊検査員の職種を教えてもらい、「どうせならば人がなかなかしない仕事がしたい」とこの道を目指すことに。2009年に航空整備技術科卒業後、三菱重工業名古屋誘導推進システム製作所に就職。非破壊検査員として航空部品の安全性確保に努めている。