日産プリンス名古屋販売株式会社でGT-Rメカニック、マスターテクニシャンとして日産GT-R車はもちろん日産車の点検・整備・車検を行う朝日さん。学生時代の学びと仕事のやりがいについてお話を伺いしました。
あるとき、オイル漏れの修理を行いました。そのお客様は本当にその車を大切にされており、無事修理を終えて車をお返ししたときはとても喜んでいただけました。2年後の車検では私を指名してくださり、「今も大切に乗っていますよ」と声をかけてくれたんです。自動車整備士は日々車と向き合う仕事ですが、その先にはお客様がいらっしゃいます。安心して任せていただける技術力を持つことの大切さを常に意識するようにしています。
授業以外でも厳しい課題を与えられることが頻繁にありました。たとえば実習で使用した車の修理を突然任されたりするんです。先生からは、「学生だけでやるように」と言われ、もちろん手伝ってくれません。当時は戸惑い四苦八苦しましたが、社会に出てみるとこれがまさに毎日の仕事そのものなんですね。学生時代から現場で必要な実践力を鍛えてもらったおかげで、入社後はスムーズに仕事に入ることができました。
今年、SUPER GTのメカニックチャレンジに応募しました。日々の整備の仕事ではお客様の命を守り、レースではドライバーの命を預かる。自分が関わる仕事はすべて命に直結しているんだとの想いを強く持ちながらマシンと向き合いました。社会に出てもスキルを学び磨き続け、進化に対応できる力を養うことが整備士という仕事を選んだ者の責務です。一方で、学生時代の友人には自動車や部品の開発・製造に携わる仕事を選んだ人もいます。