私が勤めている有料老人ホームの入居者様は、自立度が高く、以前は高い社会的地位についていらっしゃった方がほとんど。そのため一般的な「介護」の仕事ではなく、サービス業として入居者様をサポートすることが私たちスタッフの仕事です。何よりも大切なのは、入居者様との信頼関係。入職して間もない頃は、どのように接してよいのかわからず、戸惑うこともありましたが、「入居者様から教えていただく」気持ちを大切に接することで、少しずつ信頼関係が生まれてきました。教養の高い入居者様のお話は、私にとってまるで別世界。仕事を通して、そうした新しい世界に触れられることは、とても幸せだと思います。
中学時代、電車で高齢者の方に席を譲った際にかけていただいた感謝の言葉がとても心に残りました。進路を考えたとき、人と関わる仕事がしたいと思ったのですが、そのときに思い出したのも席をお譲りしたときの言葉。人と関わる仕事はたくさんありますが、人生の最期をサポートする仕事が私には向いているのではないかと思ったんです。学びの場として東京福祉専門学校を選んだのは、オープンキャンパスに参加したときの雰囲気のよさ。アットホームで先生方に何でも相談できる学校だったので、「ここなら自分も成長しながら学べる」と確信しました。また在学中からさまざまな形態の介護施設への見学や実習があることも、大きな魅力のひとつでした。
「介護とは、お手伝いさんのような仕事ではなく、サービス業である」と教わったことがとても印象に残っています。また介護士と介護福祉士の役割の違いも先生方がわかりやすく教えてくれました。介護士の仕事は、一般的な介助やお世話が中心ですが、介護福祉士は利用者様の心にも寄り添う仕事。それが理解できたことで、より介護福祉士の仕事の魅力を実感するようになりました。また学生時代はあえて介護のアルバイトはせずにカフェの仕事を選択。介護以外の仕事を知ることで、引き出しを増やし、将来の介護の仕事に活かしたいと考えていました。アルバイトを通じて身につけた接客力やサービスマナーは、今の仕事にとても役に立っています。
株式会社ベネッセスタイルケア アリア松濤 勤務/介護福祉士科/2018年3月卒/介護の仕事をサービス業ととらえ、専門学校時代の学びを活かすには、富裕層が利用する有料老人ホームが最適だと考え、現在の職場を選択。おもてなしの心を大切にしながら、日々入居者様と接している。趣味は旅行。「休みがきちんととれるので、国内外の旅行を楽しんでいます。入居者様から旅先の情報をいただくことも多いですし、旅の話が新たなコミュニケーションにつながることもあるんですよ。行こうと決めたら即行ってしまうのが私のスタイル。先日は、韓国にスンドゥブを食べに行ってきました」。