作業療法士として、高齢者の方を中心に、骨折や認知症などさまざまな理由でそれまでの生活が困難になってしまった方々に対してリハビリを行っています。私が患者さんの支援をする中で大事にしていることが、相手を知ること。身体のことだけでなく、会話や表情、ご家族や施設職員も含めた周囲の環境など、いろいろなところから情報を得て、その人個人の価値観を知るように努めています。親身になって患者さんと接することで、より質の高いリハビリを提供することができるのです。そのように支援させていただいて、身体の回復から笑顔が見られたり、ご家族の方々から喜んでいただけると、それまでの苦労が吹き飛んでしまいますね。
私がこの学校を選んだ理由は、高校時の進路ガイダンスを通じて興味を持ったこと。作業療法士として必要な知識を得るための学習内容と国家資格取得までの支援が充実していると感じられたからです。進学後は、授業以外にも図書室などで実習に向けて勉強していました。そうすることで、実習で担当した患者さんへの対応を考えた時に、より質の高いリハビリを提供できると思ったからです。また同級生にも恵まれて、元気が溢れる仲間ばかりで、学内はもちろんプライベートでも一緒に過ごしていました。今でもつながりが強くて、勉強会を行うなど、同じ作業療法士の仲間として切磋琢磨しています。
リハビリは、患者さんの身体が良くなっても終わりではありません。「その人が、その人として生活できるようにする」ことを目標にしているからです。そのためにも、他の職種と連携してチーム医療が行われます。そこで作業療法士は、丁寧に患者さんと接し、適切な支援を行うための勉強を続けられる人物が求められます。ただ、患者さんが心を開くのは、知識や技術に優れた人とは限りません。何気ない話がきっかけになって心を開いてくれる方もいます。なので、学生時代はたくさんの経験をしてください。私自身、患者さんと会話することで関係性が良くなり、うまく進まなかったリハビリを進められるきっかけになったことがあります。
医療法人渓仁会 札幌西円山病院 勤務/作業療法学科 卒/2020年卒/高校生の頃から作業療法士を目指し、具体的に調べ始めたという小山さん。現在勤務している病院は、療養病棟、回復期病棟、神経内科が用意され、高齢者の社会復帰を幅広く支援していることが特長。そういった職場を選んだ理由を聞くと「神経内科病棟でリハビリを学びたいと考え志望を決めました。その他にも様々な病棟があり、スキルアップできると考えたためです」と、高い志を持っていることが伺える。