介護福祉士として、食事や入浴、排泄など、身体的な介助だけではなく、生活援助や他職種のスタッフと一緒に、入居者さんの健康管理やリハビリ、身体機能の維持・回復などをサポートしています。いま力を入れているのは、入居者さんの生活の活性化。日中に寝てしまうことが多い方に声をかけ、ご本人の体調や気持ちに寄り添いながら車椅子で施設内を散歩するなど、起きて動く時間を増やす取り組みを行っています。そうすることで普段の表情が良くなったり、体が動くようになったり、話す言葉が多くなったり。自分のケアや工夫で、入居者さんの生活が良い方向に変化していると感じられるのが、この仕事のやりがいだと思います。
小学生の頃に所属していたサッカーチームのコーチが福祉施設で働いていて、施設のイベントに招待してもらったことが、この分野を選んだきっかけです。そのイベントで入居者さんとお話しする機会があって、楽しかった記憶が残りました。高校卒業後の進路を考えたとき、「人の役に立つ仕事がしたい」と思うなかで、たどり着いたのが小学生の頃の記憶です。福祉には幅広い選択肢があります。そのなかでこの仕事を選んだのは、人生の一瞬ではなく、何年もの間、朝から夜まで入居者さんの生活に近い距離で密接に関われるから。そこが、介護福祉士の仕事の素晴らしい点だと思います。
働いているいま、せいとく独自の「介護技術検定」がとても役に立っていると感じています。ベッドメイキングからトイレの移乗、麻痺のある方の着替えといった身体的な介護まで、決められた時間内でさまざまな介護技術を学生同士で行う検定です。先生が試験官となり、声の掛け方や話し方までチェックを受けます。合格しないと次に進めないので、みんな一生懸命。その結果、実習に行った際も「すごく技術が身についている!」と感じました。せいとくの先生は実際の現場を経験しているので、「守る介護」も教わることができました。介護を受ける側も行う側も、体に負担をかけないためにはどうしたらいいか。そういう基礎をしっかり学べたと思います。
介護老人福祉施設 サン・グレイス 勤務/介護福祉科/2015年3月卒/粕谷さんが仕事で大切にしていることは、目線、表情、声のトーン、言葉づかい、距離感。入居者さんに寄り添うことはもちろん、先輩、後輩、他職種のスタッフとも意欲的にコミュニケーションを取り合っています。今後の目標は、入居者さんや周囲のスタッフから今まで学んだ経験を生かし、それをまわりに還元すること。資格試験や勉強会などに積極的に参加し、得た知識などを職場で広められたらと考えているそう。休日はドライブに出かけたり、友だちとアウトドアを楽しんだり。気持ちをリフレッシュすることで仕事にも集中できると話す姿から、公私の充実ぶりがうかがえました。