それは、私が車掌として列車に乗務していたころの話です。鉄道に不慣れなお客さまからいくつか質問をいただいたので、少しでもわかりやすいようにと紙に案内を書いてお渡ししたのです。すると、「メモまでくれてありがとう。これで安心して旅行できます」と喜んでくださいました。日ごろからお客さまが求める以上のサービスを提供することを心がけてきたので、お客さまのホッとしたような明るい笑顔は私の宝物になりました。また、私が働くJR東海は、日本の大動脈である東海道新幹線と通勤・通学などの日常生活を支える在来線の両方があり、人々の移動手段として社会の役に立っているという実感も大きいです。
大学時代は硬式野球部に所属し、野球に全力で取り組みながら社会に出る準備としてアルバイトにも力を入れました。部活動、アルバイト、授業、遊びなど、学生時代にしかできないことはたくさんありますので、どんなことにも全力で取り組みました。アルバイトを通してやりたい仕事が見つかったことで、最初から業界を絞ったスムーズな就職活動ができたと思います。先生方からも面接のアドバイスなど手厚いサポートがあり、自信を持って採用試験に臨めました。社会人となってからも自分で考えて行動することが自然とできているのは、中京学院大学の自由な校風のなかで自ら考えて行動する力を身につけることができたおかげです。
安全第一の鉄道業で活躍するために求められること。それは広い視野をもつことです。いつ何が起こるかわからない鉄道業で万が一トラブルが発生した際は、お客さまの安全確保のために今やるべきことは何かを冷静に判断し、素早く行動に移さなければなりません。それには、周りの状況や自身の置かれている立場を客観的に見ることができる広い視野が必要なのです。もう一つ、私が必要だと考えるのは忍耐力です。仕事によっては勤務が不規則になるため、体力的にも精神的にも厳しいときがあります。そういった状況でも最高のパフォーマンスを発揮して安全運行に努めることができる、そんな強い精神力が不可欠です。
東海旅客鉄道株式会社 勤務/経営学部経営学科 卒/2019年卒/JR東海の駅員を務める藤井さんの主な仕事は、駅での切符の販売やお客さまへのさまざまな案内である。藤井さんがこの仕事を志したのは大学3年生のころ。人の役に立つ仕事がしたいと考え、社会の発展や地域社会と経済に大きく貢献している鉄道業に興味をもったという。夢をかなえた藤井さんの次の目標は、開業予定のリニア中央新幹線に関わる仕事をすることだ。「開業はまだ先の話なので、いまは目の前の業務に全力で取り組み、鉄道のプロをめざしていきます」。