企業でゲームプログラマーをしながら、大学時代から続けている制作チーム「Caffeine Zombie」でゲームの自主開発をしています。ゲームは芸術作品でありながらも製品として成立させる必要があり、そのバランスをとるのがゲーム制作の面白い部分です。特に気を配っているのが、世界観やシステムがプレイヤーへ直感的に伝わるようにゲームを組み立てることです。現在制作中のゲームは「光と影」がテーマで、言葉でそのことを説明するのではなく、グラフィックや動作などゲーム内のさまざまな要素に光と影を活かすことで、自然とプレイヤーに「光と影を使ってプレイするんだな」と受け取ってもらえることをめざして開発を進めました。
授業で子どもをターゲットとしたイベントに作品を出展する機会があり、その経験が今も活かされています。今までは内に向けた表現の作品制作が多かったのですが、明確なターゲットがあることで第3者を意識するようになり「これだったら伝わりづらいな」「もっとこうしたら驚いてもらえるかも」といったように、どんどんブラッシュアップしていけるようになりました。また、大学内でゲーム以外のさまざまな表現やアートに触れることができ、視野が大きく広がりました。特にアートサイエンス学科は、何かと何かをかけ合わせて新しい表現を生み出すといった制作方法を学ぶ機会が豊富で、固定観念に縛られない柔軟性を育んでくれたと思います。
現代はゲーム配信プラットフォームの進歩やSNSの発展などにより、個人開発のゲームも記録的なヒットを飛ばすようになりました。企業の制作部などに所属するのはもちろんいいことですが、自分の考えやアイデアを直接カタチにして、多くの人に届けることも可能な時代になりました。ぜひゲームづくりに興味のある方は、個人開発にもチャレンジしてみてほしいと思います。とはいっても、ゲームは総合芸術なので、自分の力だけで全てをまかなうのが難しいのも事実です。大阪芸術大学はさまざまな芸術や表現を学ぶ学生たちに溢れています。自分にはない表現・考え方をもった仲間に出会えるのは、ゲーム制作において大きな魅力だと思います。
ゲーム制作チーム「Caffeine Zombie」所属/アートサイエンス学科/2023年卒/現在所属するゲーム制作チーム「Caffeine Zombie」は、みこさんの他に、3DCGや映像を担当するもこさん、音楽制作を担当するイッキュウさんで構成されています。皆さんアートサイエンス学科の卒業生で、チーム制作の授業が結成のきっかけでした。「『ダンジョンダンス』という操作にセンサーやカメラを活用したゲームを制作し、お互い制作した作品に手ごたえを感じたので、せっかくならこのチームで真剣に制作を続けて、販売も自分たちで行おうという話になりました」と語ってくれました。