技術部に所属し、計画、人や予算、スケジュールなどの管理、製図・制作、発注、メンテナンスまで実に幅広い業務を担当しています。デスクワークが多いものの、現場ではヘルメットや安全靴を身に着けて設営するので力仕事もありますよ。私はこれまでに『キャッツ』『ジーザス・クライスト=スーパースター』『パリのアメリカ人』『ソング&ダンス 65』などの演目に関わってきました。舞台のOKを出すのも自分なので、細部までしっかりチェックします。開幕する瞬間は何度立ち会っても感動!お客様の「面白かった」「観てよかった」という声をいただくと、多くのスタッフと一緒に手掛けた舞台がさらに誇らしく、鼻が高くなりますね。
1年次から実習中心で学んでいったので、とにかく楽しかったです。トンカチとのこぎりを使って大道具を作ったり、仕組みや仕掛けを考えたり、あとは衣装やメイクアップ演習の授業もあったり、バラエティ豊かでした。舞台の第一線で活躍している舞台美術やクリエイターの先生方から、実際の現場のリアルな情報を臨場感いっぱいに教えて頂きました。一言も聞き逃したくない!という思いでメモを取っていたことを覚えています。当時の授業ノートは今でも見返して、仕事の参考にするほど役に立っているんですよ。劇団四季では私以外にも大阪芸大の卒業生が各部門で活躍しているので、とても刺激になります。
劇団四季に関わるお仕事をされている先生が『キャッツ』の仕込みの裏側や稽古を見学させてくださったことがあり、その時に具体的な将来がイメージできて「私もここで働いてみたい」と思うようになりました。技術スタッフの仕事は幅広いので、全体に関わりたい人や、さまざまな職種の人とコミュニケーションを取れる人に向いていると思いますし、何より、舞台がより良くなるように働きかけていくことが好きな人にピッタリの仕事です。興味のある方は、今のうちから舞台、映画、テーマパークなど、自分の興味のあるものにたくさん触れて、色んな経験を積んでおくといいと思いますよ。
劇団四季 技術部 舞台装置担当/舞台芸術学科 舞台美術コース/2016年卒/北海道出身。映画や舞台が好きで、美術や大道具の仕事に憧れを持つ。「専門的に学びたい」と考えて大学をじっくりと探し、大阪芸術大学に入学。在学中は、チェコ・プラハで開催されたプラハ・カドリエンナーレの学校部門に学生有志として出展参加するなど、積極的に行動をしていた。劇団四季入団後、技術部 舞台装置に配属。アシスタントを経て、3年目から演目の担当に。「まっさらなところからできあがってセットになる瞬間にやりがいを感じます。何度も見てくださるお客様もいるので、細部までこだわって作っています。是非見に来て欲しいです」と話す。