薬を覆うコーティング材を研究
薬をコーティングする新しい3つの素材開発
かぜ薬やサプリメントでもなじみ深いカプセル剤。薬をカプセルでコーティングすることで、薬を胃で吸収させずに腸まで届けたり、効き目が持続する時間をコントロールしたりできます。
コーティングする素材は、昔はでんぷん質のオブラートぐらいしかありませんでしたが、現在はさまざまな進歩によって、薬の飲み方がより効果的で、自由度の高いものになりました。また、薬は口から飲むだけではなく、コーティングしてから体内に直接注入することによっても取り込むことができます。私の研究室では、高分子を使うことによって、薬をコーティングする素材として、ゲル、シート、粒子の3つの形態の材料を開発しています。
一つめのゲルというのは、身近な言葉で言うとゼリーです。ゲルでコーティングすれば薬を体内に注入しやすくなるのですが、ゲルから薬を放出するタイミングを制御するのが難しく、薬の効き目や効果時間が一定にならないという難点があります。
これを克服するには、ゲルの中に薬の放出を一定にする仕組みをうまく組み込む必要があり、これが現在取り組んでいる研究課題となっています。また、体内に注入したゲルをうまく固定化できるように、体の組織に接着するゲルの開発にも取り組んでいます。

「応用化学の魅力は夢があるところ」と村上義彦教授
薬の使い方を変えるシートと粒子
二つめのシートというのはラップのような薄い膜です。ラップと同じく、薄い膜は物にピタッと貼りつく性質があるので、ここに薬を入れられれば、人体に貼りつけて薬をゆっくり放出する治療用のシートが作れます。
これが実現できれば、いろいろなところで活躍します。例えば胃がんの手術でお腹を切ったとき、体内に貼り付けておけば、お腹を閉じた後にシートから一定間隔で薬が放出され、手術後にも治療が進められます。すると、手術後の治癒効率を高めることができるはずです。。
ところが、シートに均一に薬を入れるのは難しく、そのような方法は開発されていませんでした。そこで私の研究室では、薬の分子が入る程度の小さい空間が内部に均一にたくさん存在するシートの作り方を研究しています。空間が均一に存在していれば、そこに薬を保持するだけで、薬が均一に散りばめられたシートが作れるというわけです。
三つめの粒子は、小さな穴が表面や内部にたくさん存在する多孔質粒子です。多孔質粒子は軽くて気流に乗りやすいので、吸い込んだ時に肺の奥まで到達します。そのため、粒子の壁面に薬を詰めておけば、それを吸い込むだけで肺の奥まで直接薬を届けられるようになるわけです。
肺から薬が効率よく取り込まれるようになれば、注射を打つ必要はなくなるかもしれません。注射は医者がいないと打てないため、病院に行けない高齢者や、医者がいない地域の人は薬の使用に大きな制限がかかってしまいます。しかし、吸うだけで薬を体内にまで直接届けられるようになれば、病院に行かなくても自宅で薬を使えるようになり、薬の飲み方が大きく変化することが期待されます。
ちなみに、この多孔質粒子は、表面がつるつるの粒子を作ろうとした過程で偶然できたものです。たまたま穴の空いた粒子ができたことから、条件を変えて検証した結果、とても簡単な手順で多孔質粒子を作る方法を確立しました。この方法は、世界でこの研究室にしかない技術です。
全国のオススメの学校
-
東北工業大学(工学部)人を中心としたモノづくりが求められる中、工学部と建築学部、ライフデザイン学部で社会的ニーズに対応。新ブランドビジョン「未来のエスキース」のもと、2025年工学部とライフデザイン学部の学びが深化します。私立大学 / 宮城
-
山口大学(工学部)国公立大学 / 山口
-
九州工業大学(工学部)国公立大学 / 福岡
-
北里大学(理学部)本学では、生命現象の不思議を解明するため、「地球の未来につながる研究」をキーワードに9学部18学科から総合的にアプローチ。生命科学の総合大学としてその叡智を集結し、地球の明日に貢献します。私立大学 / 神奈川・青森・東京・新潟
-
日本大学(生命応用化学科)日本大学は、多彩な学問領域に対応する国内最大級の総合大学として、約127万人の卒業生を輩出。そのネットワークは絆として大きな力となり、夢を実現する皆さんを応援します。私立大学 / 東京・福島・千葉・神奈川・静岡
-
東海大学(理学部)全国に7つのキャンパスと23学部62学科・専攻を擁する東海大学は、文系・理系の枠にとらわれない「文理融合」教育を推進している、日本屈指の規模を誇る総合大学です。私立大学 / 神奈川・北海道・東京・静岡・熊本
-
大分大学(理工学部)国公立大学 / 大分
-
法政大学(創生科学科)社会の課題解決につながる「実践知」を創出する法政大学。15学部を擁する総合大学ならではの、学部間を超えて幅広い分野を学ぶことができる独自の教育プログラムなど、多様な学びや機会を用意しています。私立大学 / 東京
-
関西大学(化学生命工学部)1886年「関西法律学校」として開校。2022年に大学昇格100周年を迎えました。学是「学の実化(じつげ)」のもと、世の中に役立つ生きた学問を理論と実践の両面から学び、世界に貢献できる人材を育成します。私立大学 / 大阪
-
吉備国際大学(地域創成農学科)吉備国際大学は、「輝け、自分。羽ばたけ、未来へ。」をブランドビジョンに、実践的な知識を自ら学ぶ力、多様化する社会で生きぬく力、自分の可能性を信じる力を引き伸ばします。私立大学 / 岡山・兵庫
応用化学とはどんな学問?
応用化学とはどんな学問?
応用化学と他の学問とのかかわり
応用化学では何をどのように学ぶか
応用化学はこんな人に向いている
応用化学を学んだ後の進路と今後の展望
応用化学の先生に聞く
応用化学ではこんな研究をしています
応用化学のここが面白い
もっと先生たちに聞いてみよう

分析化学者のロールモデルとして未来の後輩に寄り添う先生
日本分析化学専門学校 医療医薬分析学科
浦賀 朋子先生

地球環境も守る!? 可能性溢れる材料を研究する先生
日本大学 理工学部物質応用化学科
小嶋 芳行 教授

応用バイオ科学を様々な分野で活かそうと考えている先生
神奈川工科大学 工学部応用化学生物学科
小池 あゆみ 教授
応用化学の学生に聞く
もっと在校生たちに聞いてみよう

化学は、医療や工業、食など、色んな分野の未来を広げる学問です!
大阪工業大学 工学部 応用化学科
遠藤 由紀乃さん

複数の資格取得にも挑戦中!将来はバイオ系企業での活躍が目標です
日本分析化学専門学校 生命化学分析学科(令和7年度より「農水産バイオ分析学科」に名称変更)
松田 雪乃さん

中2の頃から目指した中部大学。化学を深く学べる喜びを感じています
中部大学 工学部 応用化学科
山本 敦也さん
もっと卒業生たちに聞いてみよう

社会の役に立つ「理系の仕事」に就く夢を、最高の形で実現できました!
日本分析化学専門学校
健康化学分析学科

ヘアカラーや化粧品の品質管理を幅広く任せてもらえる技術者をめざして邁進中!
日本分析化学専門学校
健康化学分析学科

学んだ知識や技術、卒業研究で取り組んだ界面活性剤の合成など、すべてが活躍の糧に
日本分析化学専門学校
医療医薬分析学科