手軽に成分を検出できる化学センサーを開発中
「どんなタイプの人でも活躍できる学問です」と吉見靖男教授
抗生物質の量を測る化学センサーの開発
ある液体の中に特定の物質がどれくらい溶けているのかを測定する装置を化学センサーといいます。例えば、食塩水の中に溶けている食塩の量を測るのは塩分濃度計という化学センサーです。
食塩のように身近な物質なら装置も手軽に手に入りますが、医療など専門分野で使われる成分を検出するセンサーとなると、そもそも存在しなかったり、とても高価なものだったりします。抗生物質の化学センサーもその一つです。
抗生物質は、体内に侵入した悪い菌を殺すことで病気を治すというもので、怪我をしたときによく処方されるので、知っている人も多いでしょう。
ところが、投与する抗生物質の量が足りず、菌を仕留めきれないと生き残った菌が抗生物質への耐性を身につけてしまうことがあります(耐性菌)。そうなると抗生物質をあとから打っても効かなくなり、体内でどんどん菌が増えて命にかかわる危険性が高まってしまいます。
かといって投与量が多すぎれば腎臓などを悪くしますから、体内に侵入した菌をちょうど仕留められる程度に抗生物質の量をコントロールできなければなりません。それには血中の抗生物質の量を測定し、仕留めるに十分な量が入っているかを逐一調べ、足りなければ足すという手順を踏んでいくのが有効です。
しかし現状、血中の抗生物質量を測定する装置は特別な検査機関にしかなく、結果が出るまでに数日はかかってしまいます。何日も経ってから「もう少し足したほうがいい」とわかっても、すでに耐性菌ができていて、手遅れという恐れがあります。
そこで私たちは化学センサーとよばれる、特定の分子や成分にのみ反応する物質を作りだそうと研究を進めています。これが実用化すると30秒ほどのかんたんな検査で、抗生物質の十分量が測れるようになります。
分子の型を取るミクロの世界のものづくり
とてもミクロな話ですが、石膏に手をぐっと押し当てて手型を作るのと同じように、分子の型を取ると考えるとイメージしやすいと思います。
まず抗生物質の分子の周りに、元になる物質をまとわせ、光を当ててその物質を反応させてプラスチック状の物質に変換させます。その後、中に入っている抗生物質の分子を取り出すと、プラスチック状物質の中に、抗生物質の分子がピッタリ収まる隙間ができます。
この隙間の中に、その抗生物質の分子がピッタリ入ると電流が発生するしくみを作っておけば、雑多な分子が存在する血液の中でも、かたどった抗生物質の濃度に応じた電流が得られます。その電流値を測定することで、血液中の抗生物質の濃度も計算できるというわけです。
最終的には実用化を目指していますから、なるべくかんたんな操作で大量に均質なものが確実に作れるようになるのが理想です。そのために薬品の濃度、光の当て方や距離、均等に光を当てるための試験管の回し方などさまざまな点を工夫しています。
特に抗生物質の分子を型から抜く段階では、なかなかきれいに抜けず苦戦しています。温めたり、酸を使ったり、きれいに抜ける条件をいろいろと試していますが、目に見えない世界の話ですから、電流の流れ方などをみて、きちんと型が取れているかどうか、地道に検証しています。
全国のオススメの学校
-
公立千歳科学技術大学(電子光工学科)1学年240名と小規模なため、教職員は学生の顔と名前が一致するほど身近に学生と接し、自主性をもって学生が活躍できる環境を大事にしています。企業や社会からの評価の高さにつながっています。国公立大学 / 北海道 -
東邦大学(化学科)「自然科学系の総合大学」として、生命にとって大事なものを探究しつづけている東邦大学。各分野の最先端のテーマにチャレンジできる研究環境があります。私立大学 / 東京・千葉 -
東京工科大学(応用化学科)工学系からICT、メディア、バイオ、デザイン、医療まで実践的な幅広い学びを展開しています。社会の変化や技術革新に対応できる適応力を備えた、先端分野で活躍し続けられる人材を育成します。私立大学 / 東京 -
城西大学(化学・生命科学科)本学は、文系・理系5学部9学科からなる総合大学。学部学科を超えた仲間や教職員、地域の人との出会いを通して、ともに尊重し、分かち合い、助け合いながら学びを深めます。本学で、皆さんの未来を広げてください。私立大学 / 埼玉・東京 -
長浜バイオ大学(フロンティアバイオサイエンス学科)フロンティアバイオサイエンス学科、バイオデータサイエンス学科、アニマルバイオサイエンス学科、臨床検査学コースを設置するバイオサイエンスの総合大学。追究したい学びにどっぷりつかる環境が整っています。私立大学 / 滋賀 -
金沢工業大学(バイオ・化学部)社会の課題に応えるために文理の枠を超えた学びを実践し、これまで以上に社会に貢献する6学部17学科体制として進化します。私立大学 / 石川 -
立命館大学(生命科学部)日本各地・世界から約38,000人の個性豊かな学生が集まり、専門的知識を深めるだけでなく異なる学問領域を横断的に学べる教育・研究を推進。多様性に富んだ環境を活かし、未来を先導する人材の育成を目指します。私立大学 / 京都・滋賀・大阪 -
金沢大学(理工学域物質化学類)国公立大学 / 石川
-
東京医薬看護専門学校(医療・医薬品バイオ研究学科)11職種11学科の多様な分野が集まる本校は、学科間連携、企業・地域との連携、そしてこれからの医療を学ぶ学校として、時代とともに変化し、学びを創造し続けます。専門学校 / 東京 -
東北工業大学(環境応用化学課程)人を中心としたモノづくりが求められる中、工学部と建築学部、ライフデザイン学部で社会的ニーズに対応。新ブランドビジョン「未来のエスキース」のもと、2025年工学部とライフデザイン学部の学びが深化します。私立大学 / 宮城
応用化学とはどんな学問?
応用化学とはどんな学問?
応用化学と他の学問とのかかわり
応用化学では何をどのように学ぶか
応用化学はこんな人に向いている
応用化学を学んだ後の進路と今後の展望
応用化学の先生に聞く
応用化学ではこんな研究をしています
応用化学のここが面白い
もっと先生たちに聞いてみよう

分析化学者のロールモデルとして未来の後輩に寄り添う先生
日本分析化学専門学校 医療医薬分析学科
浦賀 朋子先生

地球環境も守る!? 可能性溢れる材料を研究する先生
日本大学 理工学部物質応用化学科
小嶋 芳行 教授

応用バイオ科学を様々な分野で活かそうと考えている先生
神奈川工科大学 工学部応用化学生物学科
小池 あゆみ 教授
応用化学の学生に聞く
もっと在校生たちに聞いてみよう

美観を高め肌に優しく気分も高まる、夢のような化粧品を開発したい!
日本分析化学専門学校 健康化学分析学科
平尾 愛暖さん

化学は、医療や工業、食など、色んな分野の未来を広げる学問です!
大阪工業大学 工学部 応用化学科
遠藤 由紀乃さん

香りの仕事をめざして挑戦。化粧品などの原材料メーカーから内定も!
日本分析化学専門学校 健康化学分析学科
勝川 明日美さん
もっと卒業生たちに聞いてみよう

建設現場の環境調査における化学分析に、より早く、正確に、幅広く取り組みたい!
日本分析化学専門学校
環境化学分析学科

数多くの実践経験と手厚い就職指導で、希望する医薬分野の分析技術者に!
日本分析化学専門学校
健康化学分析学科

ヘアカラーや化粧品の品質管理を幅広く任せてもらえる技術者をめざして邁進中!
日本分析化学専門学校
健康化学分析学科
