社会の役に立つ技術であることを実感しやすい
研究と社会との結びつきがはっきり見える
環境工学は、環境問題を解決するための技術や方法を作る学問ですから、「実際に解決する」ということが重要になってきます。逆にいえば、環境工学の研究は必ず社会を良くすることに寄与できるということです。
水分野であれば「おいしい水が飲めるようになった」、廃棄物分野であれば「資源リサイクルが進んだ」と、社会とのつながりがはっきり見えるのは環境工学の魅力でしょう。
また、原発問題でも環境工学の専門家は大活躍しています。社会的にはロボットやAIといった華々しい分野が注目されがちで、それに比べればたしかに地味かもしれませんが、社会的ニーズが必ずあり確実に社会の役に立てる学問なのです。
研究して論文を書いたら終わりという分野ではなく、自分の研究成果が何らかの施策に生かされたり、どこかの水道局でシステムが採用されたりするのを実際に見聞きすれば、きっとやりがいを感じられるはずです。私も上水道の研究をしてきて、安全基準の策定など国の施策に携わっています。
もちろん、どれだけ社会の役に立つ研究をしていても、世の中の人がすぐに話を聞いてくれるわけではないので、こちらの提言をさっと聞き流されてしまうことも少なくありません。ただし、そのときはがっかりしても、2~3年してから私の案が採用されることも度々です。施策にかかわることなので何年か時間が空くこともありますが、確実に達成感を味わえると思います。

大型の分析機器を使ってデータを取る
体を使って環境問題を考える研究に惹かれて
私が大学に入ったころは、「環境工学」ではなく「衛生工学」といっていました。まだ公害問題が騒がれていたり、川の水が汚かった時代でしたから、科学技術が進歩したひずみとして発生したさまざまな問題に対する社会的な関心は高く、私も高校生なりに問題意識をもっていました。漠然とではありますが、科学技術を使ってこうした問題を解決するにはどうすればいいのかと考え、環境工学(衛生工学)を選びました。
現在、私は上水道にかかわる研究をしていますが、その原点になったのが学生のときに参加した琵琶湖の調査です。琵琶湖は京都・大阪といった「近畿エリアの水がめ」という役割がありますから、その視点でさまざまな調査を行う研究室でした。
研究室の説明会で、琵琶湖にボートで漕ぎ出していって、水を採取したり、湖底の泥を取ったり、琵琶湖に通じている河川にもジャブジャブ入っていって水を取ってくるという研究方法を聞いて、非常に魅力的に感じました。環境問題を考えるうえで、実際に「体験する」ということがとても重要なのです。そうした魅力は今でも感じています。
全国のオススメの学校
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京都大学(工学部)国公立大学 / 京都
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九州工業大学(工学部)国公立大学 / 福岡
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東京電機大学(建築・都市環境学系)建学の精神「実学尊重」のもと、学問としての技術を学ぶだけでなく、実際の社会でそれを活用できる技術者を育成。実験・実習や1年次からのものづくり体験授業「ワークショップ」を通して、創意工夫の力を育てます。私立大学 / 東京・埼玉
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秋田職業能力開発短期大学校(住居環境科)ものづくりへの総合的支援を通じ、『地域のものづくり・ひとづくり』の拠点として実践技能者を育成しています。年間授業料が39万円と、経済的負担が少なく学べることも魅力の一つです。国公立大学 / 秋田
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甲南大学(環境・エネルギー工学科)甲南大学の母体である甲南学園は2019年に創立100周年を迎えました。神戸の地で育まれた伝統と“ミディアムサイズの総合大学”の強みを活かして、学部の枠を超えた人物重視の教育で融合力を伸ばします。私立大学 / 兵庫
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日本自然環境専門学校(自然環境研究科)新潟の豊かな自然環境で野生生物や環境保全について学びます。環境調査、ビオトープ管理、環境教育、環境保全型農業など、さまざまな角度から自然環境にふれます。専門学校 / 新潟
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東京日建工科専門学校(建築設計科)日本最大の「建築士養成校」日建グループ!入学者のほとんどが初めて建築・インテリア・大工を学びます。初心者でも分かりやすい安心の授業を展開し、建築・インテリア・大工のスペシャリストを目指します!専門学校 / 東京
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拓殖大学(電子システム工学科)1900年より世界を志向してきた拓殖大学には、国際社会に貢献しうる人材を育成する「志」があります。留学制度の充実や15の言語科目の設置など、国際大学のパイオニアとしてグローバルな環境で学びを展開します。私立大学 / 東京
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早稲田大学芸術学校(建築都市設計科)早稲田大学の専門学校であること、夜間開講であることの特長を活かし、早稲田大学をはじめとする大学の教授や建築家など多彩な講師による教育を実現。高度な理論と実践教育で、芸術としての建築デザインを学びます。専門学校 / 東京
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名古屋工業大学(工学部)国公立大学 / 愛知
環境工学とはどんな学問?
環境工学とはどんな学問?
環境工学と他の学問とのかかわり
環境工学では何をどのように学ぶか
環境工学はこんな人に向いている
環境工学を学んだ後の進路と今後の展望
環境工学の先生に聞く
環境工学ではこんな研究をしています
環境工学のここが面白い
もっと先生たちに聞いてみよう

都市に緑を増やして人々が住みやすい環境を創り出す先生
東京都市大学 環境学部環境創生学科
飯島 健太郎 教授

見えない所を、見える化。持続可能な社会実現を目指す先生
日本大学 理工学部土木工学科
小林 義和 教授

100年後も安全・安心な都市を一緒に探究してくれる先生
芝浦工業大学 システム理工学部建築・環境課程
増田 幸宏教授
環境工学の学生に聞く
もっと在校生たちに聞いてみよう

大好きな自然に触れられる2年間。将来に向けて知識が深まります
東京環境工科専門学校 自然環境保全学科 野生動物保護管理コース
本多 智咲さん

建築・都市・環境を絡めたSDGsの実践と継続に挑戦しています!
芝浦工業大学 システム理工学部 環境システム学科(2026年4月、建築・環境課程へ改組予定)
遠藤 勇人さん

実験や学外調査で実践的な学び「分かる」から生まれる面白さ
東北工業大学 工学部 環境応用化学科 ※2025年4月より環境応用化学課程
佐々木 千夏さん
もっと卒業生たちに聞いてみよう

古民家リフォームで「想像」を「創造」に。お客様の想いを形にできる仕事がしたい
東北職業能力開発大学校
専門課程 住居環境科卒

「地図に載るダイナミックな仕事」に携われていることに、喜びと誇りを感じています
中部大学
工学部 都市建設工学科 卒

人々の暮らしに欠かせない建物やインフラ設備を造っています
愛知工業大学
工学部 土木工学科 土木工学専攻 卒 ※2024年4月 土木工学科から社会基盤学科に名称変更