クロマグロをはじめとする水産資源の養殖技術の開発や、品種改良などに取り組む
世界初のクロマグロの完全養殖に成功
マグロ、なかでもクロマグロは日本人にとって身近な食べ物ですが、太平洋のクロマグロは絶滅危惧種に認定されるなど、その数は年々減少しています。日本人の食生活が、生態系に危機をもたらしているのです。日本を含め、各国の政府は漁獲量に制限を設けるなどして対応していますが、それは私たちの食生活を大きく変えることになります。そこで、需要に合わせた安定供給のために多くの研究者が取り組んできたのが養殖。クロマグロをはじめ、日本のほとんど全ての養殖種を対象に養殖技術の開発に取り組む近畿大学の水産増殖学研究室では、長年クロマグロの養殖を研究に取り組み、2002年に世界初となる完全養殖に成功しました。完全養殖とは、養殖した魚が成魚となり、それが親となって、産卵、そこから孵化してまたそれが親となりといった、いわゆる天然の魚に頼らずに持続的な養殖を行うことです。この完全養殖の技術が確立され、安定供給ができるようになれば、私たちは食生活を変える必要がなくなります。そして、クロマグロと、それを取り巻く生態系も守ることができるのです。
現在、完全養殖に成功したものの、孵化から1カ月ほどで9割が死んでしまうなど、まだまだ課題は山積みです。こうした数々の課題の解決を目指し、日夜研究をしています。
品種改良でより安定した供給を
魚などの水産資源は、長い間海から獲ってくるのが当たり前でした。しかし、現代では、スーパーにいけば天然ものと養殖ものが同じくらい並んでいます。それだけ養殖技術が発達した証と言ってもいいでしょう。そして、それによって可能となってきたのが、水産資源の品種改良です。これまで、農作物や畜産物に関してはさまざまな品種改良が行われてきましたが、それは畑や牧場、厩舎などの限られた範囲で育てられていたからです。もし自然界で品種改良をしたら、そこの生態系はたちまち崩れてしまうことになります。当然、海の中でも同じです。しかし、水産資源を生簀や水槽で育てることができるようになった今、これらの生き物も、農作物や畜産物と同じように、生態系に影響を与えることなく品種改良できる環境になってきたというわけです。品種改良を重ねて、病気に強いものや成長の早いものを作れればそれだけ供給は安定しますし、トロばかりのクロマグロなんていうものも生み出せるかもしれません。その可能性を探って、遺伝子レベルでの研究を進めているところです。
持続可能な食糧供給のプロセスを確立することで、人の食生活を守り、生態系も保護する。そんな意義ある研究です。
全国のオススメの学校
-
京都コンピュータ学院京都駅前校(農業ITコース)日本最初のコンピュータ教育機関 京都コンピュータ学院(KCG)では、コンピュータの基本構造や理論など、情報科学の基礎を着実に修得。さらにプログラミング、ゲーム、データサイエンスなどを学びます。専門学校 / 京都
-
京都府立大学(農学食科学部)国公立大学 / 京都
-
専門学校 つくば自動車大学校(農業機械整備士科)県内最大級・最新設備を有し、自動車整備のスペシャリストを育成する単科校です。豊富な実習時間で高い技術力を身に付け、徹底的な検定対策授業で自動車整備関連の国家資格の全員合格を目指します。専門学校 / 茨城
-
酪農学園大学(環境共生学類)2学群、6学類を設置。農食環境学群は、循環農学類、食と健康学類、環境共生学類、農環境情報学類。獣医学群は、獣医学類、獣医保健看護学類。進みたい分野を見つけてから領域を選択できる。(一部を除く)私立大学 / 北海道
-
大阪ハイテクノロジー専門学校(バイオ・再生医療学科(昼・3年))スポーツ・医療・バイオ・人工知能の総合学園。各分野の特長を活かしハイテクならではの資格・就職対策、仕事で活躍するためのチカラをつけるカリキュラムで、あなたのなりたい将来を全力サポート!専門学校 / 大阪
-
サイ・テク・カレッジ美浜(環境生態学科)毎年、普通高校、農林高校、工業高校、商業高校、大学卒、社会人など様々なキャリアの学生が入学しています。興味があれば専門家になれる! 環境科学、バイオ、建築、土木、IT分野の夢実現をサポートします。専門学校 / 沖縄
-
県立広島大学(生物資源科学部)国公立大学 / 広島
-
神戸大学(農学部)国公立大学 / 兵庫
-
龍谷大学(生命科学科)龍谷大学は、1639年に建学した京都、滋賀にある、10学部を擁する総合大学です。「自省利他」を行動哲学として、地球規模で広がる課題に立ち向かい、社会の新しい可能性の追求に力を尽くしていきます。私立大学 / 京都・滋賀
-
青森県営農大学校(畜産課程)専門学校 / 青森
農学とはどんな学問?
農学とはどんな学問?
農学と他の学問とのかかわり
農学では何をどのように学ぶか
農学はこんな人に向いている
農学を学んだ後の進路と今後の展望
農学の先生に聞く
農学ではこんな研究をしています
農学のここが面白い
もっと先生たちに聞いてみよう

お米の澱粉を研究し、加工品の販売普及まで行っている先生
秋田県立大学 生物資源科学部生物生産科学科
藤田 直子教授

さまざまな再生可能エネルギーの活用法を教えてくれる先生
酪農学園大学 農食環境学群農環境情報学類
石川 志保先生

健康な暮らしや豊かな食生活のために、食品を研究する先生
東京薬科大学 生命科学部応用生命科学科
熊澤 義之教授
農学の学生に聞く
もっと在校生たちに聞いてみよう

環境にやさしく、持続可能な方法で、農業の課題解決に挑みたい
酪農学園大学 農食環境学群 循環農学類 酪農コース
林 七海さん

好きなことを仕事に!大好きなイチゴ農家になりたい!
愛甲農業科学専門学校 システム栽培学科
西田 侑記さん

進歩していく農業の素晴らしさを、多くの人々に知ってもらいたい!
北海道ハイテクノロジー専門学校 スマート農業ビジネス学科(2026年度よりバイオテクノロジー学科へ名称変更)
金子 春希さん
もっと卒業生たちに聞いてみよう

自分の経験を基に、花の魅力や育て方、管理方法をたくさんの人に伝えていきたい
テクノ・ホルティ園芸専門学校
花き生産コース

学生時代、野菜づくりの授業を通して野菜の味に感動!そしてこの道を志しました。
テクノ・ホルティ園芸専門学校
園芸療法・福祉コース(2019年4月 野菜生産コースに名称変更)

大学での経験や身に付けた畜産の専門知識が今の仕事に大きく役立っています!
酪農学園大学
農食環境学群 循環農学類 卒