臨床工学技士として、腎臓の代わりに血液をきれいにする透析という処置を行っています。他にも、内視鏡検査や手術、高気圧酸素療法など、さまざまな業務に携わっています。私が勤務している病院は北海道内で屈指の透析病床数があることに加えて、様々な業務があるため、たくさんの知識や経験を詰めます。そういった業務の中で大切にしていることは、コミュニケーションの取り方です。例えば、患者様に透析とはどのようなものなのか理解して、安心して受けていただくために、どう説明するかが大事だと考えています。入院された際は重篤だった患者様が私たちの処置により病状が良くなり、笑顔で退院されていく姿を見るときは本当に嬉しいですね。
私は、実際の現場で働いている方が授業をしてくれることやオープンキャンパスで担当してくれた先生が良かったことで、この学校への進学を決めました。学生時代には実習に力を入れて、授業だけでは分からなかったことや、病院ごとに工夫されていることを実践として体感することができ、感激したことを覚えています。現場の方々への質問も積極的にしていましたね。また、授業で習った知識と経験は今の業務にも活きていて、休みの日などに当時の教科書で勉強することがあるほどです。学生生活を振り返ると、授業以外でも友達と病院で働いている先生のセミナーに参加するなど、モチベーションが上がる環境だったなと思います。
医療業界では今後、少子高齢化が進み、ますます人手が足りなくなると思います。そして、今以上に患者様に寄り添える医療従事者が求められるでしょう。そうした中で活躍するためにも、学生時代は、当たり前のことですが、授業を真剣に聞くことが大切だと思います。実際に病院で働いている方も講師として来られるので、教科書だけではなく、現場ではどう対応するのかなど、モチベーションに繋がるお話をたくさん聞くことができます。また、私は授業の前後に質問しに行っていました。そうした取り組みを積み重ねていくことで、学校ではテストで良い点数が取れたり、実習先では「元気でいいね!」と褒められるなど、自分の成長に繋がっていきます。
札幌センチュリー病院 勤務/臨床工学技士学科 卒/2022年卒/幼い頃から他の人の役に立ちたいと思い、医療業界へ進んだ前田さん。患者さんへのコミュニケーションの大切さを話してくれたが、スタッフ間でも心掛けていることだという。「午前と午後の患者様の入れ替えが多い時間帯など忙しいタイミングは特に、一人ひとりの血圧変動を見逃さないようにスタッフ同士でコミュニケーションを取り、気をつけています」。患者さんたちの健康を支える現場での意識の大切さが感じられる。また、学生時代について「学ぶ内容が職種に特化しているため、実際に学校で学んだ知識や経験をそのまま現場で使えることがたくさんありました」と語ってくれた。