人口減少や少子高齢化、地域間格差といった課題について考える時、四国という地域は意義ある学びの場となります。大きな産業を持たず、かつては大手メーカーの製造拠点であった地域が自らの持てる固有の力で立ち上がろうとしている。この「固有の力」とは、まさに観光であると言えるのではないでしょうか。四国は穏やかな気候に育まれた豊かな自然と素晴らしい眺望、歴史、文化など多くの魅力を備えています。この四県が手を取り合い、ひとつの家族として地域創生に取り組み、観光を軸とした交流人口の増加をめざした取り組みが「四国家(しこくけ)」。プロジェクトの創成よりこれまで携わった知見とつながりを活かし、公共交通を軸とした地域創生や観光振興における課題探究を通して、地域の経済活性化を担う人材育成につなげたいと考えています。
大熊教授の専門領域は、実務家としての経験を活かした公共交通をはじめ観光振興、地域創生。授業・実習においてもこれらの領域を中心に指導に携わります。特に鉄道をはじめとする公共交通に関しては運営・経営的な事柄も含め体系的に理解を促すとともに、地域社会に対して持続的に機能するあり方を探究。また地域資源を観光素材化していく考え方・手法、それらが地域経済に寄与しうる高付加価値化についても考察を深めます。授業における特色は双方向性。教授の講義を聴くだけではなく、質疑応答により実感を持てる学びを旨としています。
「バタフライエフェクト」という言葉があるように、小さなきっかけが世界に影響を及ぼすことがあります。世間を動かす出来事も始まりは小さなもの。時流に対する感度を高め最初の羽ばたきができる人になりましょう。
専門分野/公共交通(鉄道)、地域創生、観光振興
略歴/1989年、岡山大学 工学部機械工学科を卒業後、四国旅客鉄道株式会社に入社。徳島運転所長をはじめ鉄道事業本部運輸部 運転車両課長、同部担当部長として鉄道運輸に携わる。その後四国鉄道機械株式会社にて常務取締役車両事業部長を務めた。2016年6月より四国旅客鉄道株式会社 総合企画本部地域連携室長、2020年3月より四国家連携部長として8年にわたり地域創生に力を注いだ。