企業による地域活性化、その中でも特に「民間航空会社による地域活性化」を研究の主題としています。わが国の観光産業は未だ大きな発展余地を残しています。その発展のキーワードとなるのが、ターゲットセグメンテーション(マーケッティング対象を価値観や属性毎に異なるニーズをもつ集団として細分化し絞り込む手法)。分厚い中間層が存在していたこれ迄の日本市場では、セグメンテーション意識なしでもそれなりの成功が可能でしたが、今後はそうはいきません。自らの地域が持つ価値を最も評価してくれるセグメントがどこに存在し、どう訴求すれば最も大きな共感を得られるのか。観光振興による地域活性化には明確で精度が高いセグメンテーション戦略が求められます。このような戦略実現に向けて、私自身の経験と研究成果を役立てたいと考えています。
安本教授の授業は、産学官に亘るこれまでの幅広い経験を活かし、グローバルで学際的な雰囲気で進められます。担当授業は臨地実務実習とその関連科目群、観光リスクマネジメント論、専門ゼミです。特に航空クラスにおける臨地実務実習II・IIIでは、沖縄や福岡・成田等の各空港で地域観光振興に貢献する航空企業を実習先として合計約3か月の実習が行われ、観光振興・地域創生の統合理解をめざします。指導においては特に対話を重視し「一人ひとりの関心や志向を尊重し、学生が希望する就職実現を全力で支援する」と決意を語る安本教授です。
「興味・関心」は、観光はもちろんすべての原動力となるものです。好奇心の翼を広げ、さまざまなモノ・コト・ヒトと関わりましょう。それらの経験から得たものは将来、意外なところで活きてきますよ。
専門分野/航空、インバウンド振興、民間企業による地域活性化
略歴/石川県金沢市出身。京都大学法学部を卒業後、日本航空株式会社に入社。成田国際旅客部、客室乗務員研修をはじめパリ支店での勤務を経て、JALホテルズ株式会社(出向)にて本社運営業務部長、マドリード支店長(ジャルパックスペイン社長兼務)、本社地域活性化推進部、本社産学連携部(金城学院大学客員教授)、福井県観光営業部企画幹(出向)などを歴任し現在に至る。