私自身がファンでもある店で働ける喜びは格別です
日本橋にあるラグジュアリーホテル、マンダリン オリエンタル 東京の広東料理『センス』で働いています。現在は、北京ダックや叉焼、前菜の盛り合わせなどを担当しているのですが、一般的な中国料理のイメージである豪快さだけではなく、繊細な味と見た目の華麗さも求められるため、日頃から食材の切り方ひとつにも神経を行き届かせるように心掛けています。入社3年目を迎えて任せてもらえることが増え、プロとしての自覚とやりがいを強く感じています。当店を率いる料理長の技術や美的センスをさらに吸収して、お客様に喜んでいただける料理を提供できる調理師に成長するとともに、厨房に良い影響を与えられる存在になりたいと思っています。
新型コロナウイルスが猛威を振るっていた頃、祖母が同居することになりました。当時は高校への通学も制限されていたため、家にいる時間が長く、祖母の料理を食べるのが日常でしたが、それがとてもおいしくて、いつしか自発的に食事の用意を手伝っていました。高校入学の時点では、将来は保育士になろうと考えていました。しかし祖母が調理する姿を見ているうちに、自分もおいしい料理をつくれるようになりたいと思い始めて、「将来のために手に職をつけた方が良いのでは」という家族のアドバイスもあり、調理師を目指すことを決意。校舎がキレイで設備が整っており、何より「毎日実習」のカリキュラムに惹かれてYAMANOTEに入学しました。
前菜の仕込みはすべて任せてもらえるようになりました
調理実習はとても楽しい時間でした。プロが使う包丁の扱い方、食材の切り方のバリエーションなど、学ぶことが多かったのは確かですが、「毎日実習」を通して自分を鍛えようと思っていたので、苦になることはありませんでした。そんな中で思い出深いのはレストラントレーニングです。自分たちでメニューを考え、学校に招いた自分たちの家族に食べてもらうプログラムで、成長した自分を家族に見せられ、少しは安心してもらえた日になったのではないでしょうか。一つだけ悔やんでいるのは座学にあまり熱心ではなかったこと。栄養や衛生に関する知識は現場に出れば必須になるので、あの頃に戻って自分を叱ってやりたい気分です(笑)。
料理長から吸収したいことは山ほどあります
マンダリン オリエンタル 東京 勤務/調理総合本科 卒/2023年卒/子どもが大好きだったこともあり、高校までは保育士になることを考えていたFさんだが、コロナ禍の中で迎えた高校3年の時に進路を変更し、YAMANOTEで調理師を目指すことにした。在学中はフランス料理にも魅力を感じたが、中国料理を教えてくれた先生から勧められた同ホテルに入社。食べ物として中国料理が一番好きだったことに加え、「『センス』の料理長は信頼できる人物」という先生のお墨付きがあったことが大きかったという。現在でも朝7時半からチーム練習で汗を流し、その後に出社する日もある根っからの野球好きだが、社会人になってから登山の楽しさも知ったという。
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