私が製菓の世界に飛び込んだ理由は、甘いものが苦手な大人も含め、全員がフルコース料理の最後のデザートをおいしく食べてほしいと思ったからです。実は自分も甘いものが苦手。そこで私は「自分が食べておいしいと感じるお菓子をつくろう。そうすれば甘いものが苦手な人にも喜んでもらえる」と考えました。以来、本場フランスや国内のパティスリーでの修業、YAMANOTEの講師となった現在も、お菓子の研究に励んでいます。「こうした材料を使うと、甘みがくどくなって食べにくい。しかし、このひと手間で甘みがサッパリして食べやすくなる」。そうしたアプローチと発見を繰り返す日々。メインのケーキだけでなく、サブとしてのデザートまで様々な技術を教えます。また、いろいろな形態のケーキ店に勤めた経験は、現在の就職相談に役立っています。
授業ではまず、シュークリームやオペラといったお菓子をベーシックな製法で作らせ、試食させるという巻島先生。「昔のレシピでつくったケーキは、甘みが強すぎます。どうすれば現代人もおいしく食べられるのか、創意工夫することも授業の一環です」と話されました。毎年、新しい製菓材料が開発されたり、最近では野菜や調味料をお菓子に使うのも珍しくありません。柔軟な考えができるパティシエを育てます。
調理師やパティシエ、ブーランジェ(パン職人)に憧れがある。そんな人は、迷わずその世界に飛び込んでみるのがイチバンです。その結果が期待どおりなら、もしくは予想と違っていても、必ず人生のプラスになります。
専門:製菓
学生時代から「パティシエを名乗るには、その原点とも言えるフランスの製菓文化を知らなければ失礼にあたる」と考えていた巻島先生。製菓専門学校を卒業、フランスに本店がある洋菓子店に勤めた後、ワーキングホリデーを利用して渡仏。世界的に有名なショコラトリーに勤務し、帰国後も腕試しに、ホテルやケータリング専門店など製菓店を約2年ごとに渡り歩く。いつしか人に教えることへの関心が高まりYAMANOTEへ。