多くの有名な研究は1000人規模で行われていますが、導き出されるのは平均的な結果です。しかし、実際の現場で対応する患者は症状や原因が多種多様であるため、平均だけを見ていても解決できない患者が多く居ます。そこで私は患者一人ひとりの臨床症状の原因を頭部CT・MRI画像から読み解き、詳細に分析する活動を行っています。そのような症例報告を発表することで、より臨床現場に必要な情報が提供できると考えています。
また、運動技能を上達させる「運動学習」も私の専門です。この運動学習は科学的な根拠が乏しく、各療法士の経験則で行われている部分が大きいと感じています。しかし、今では脳の活動や繋がりが可視化でき、身体と心の両面を観察可能となりました。このような方法を駆使し、運動学習の科学的根拠を積み重ねたいと思います。
津村先生がめざすのは「未来を切り拓くことのできる理学療法士の育成」。未来を切り拓くうえで理学療法士のリテラシーは重要な能力です。津村先生は、人から与えられた情報を鵜呑みするのではなく、自ら情報を解釈し最適な行動を選択できる力を身につけてほしいと、ゼミでは学生の可能性を広げる様々な経験を提供しています。世界に認められたリハビリ科で働く理学療法士など、第一線で活躍する理学療法士を招いたグループワークや、頭部CT・MRIの分析練習など、リアルに触れる貴重な経験から、自分だけの理学療法士像を形成します。
医師は患者の命を助けますが、私たちは患者の人生を助けます。人生を助けるとその周囲の人も幸せになります。誰かのためになる喜びを感じたい!そんな高校生の方はぜひ一緒に勉強しましょう!
大阪保健医療大学を卒業後、同学の大学院保健医療学研究科 脳神経疾患身体障害支援学領域を修了。人間総合科学大学大学院 人間総合科学研究科 博士後期課程を単位満了退学し、特別研究生として研究を継続している。現在の活動は学部時代の「患者一人ひとりに丁寧に向き合うこと」という恩師からの教えがきっかけ。一般的な方法では達成できなかったことが患者一人ひとりの丁寧な分析によって達成できる。その経験が分岐点と語る。