現在、「ヤングマガジン(講談社)」にて連載漫画の制作を行っています。漫画家としての喜びの一つは、本屋に行くと自分の単行本が並んでいること。また週刊連載をしている今、自分の漫画が毎週雑誌に載っていることに感動します。自分の作品を見ていただき、ファンレターやX(Twitter)でたくさんの方から感想をいただきます。読者の感想は喜びややりがいであり、何より自信につながっています。いま仕事で大切にしていることは、計画を立てて効率的に仕事をすること。連載はスケジュールを逆算して組み立てないと成立しないからです。一日のノルマを決めて、カレンダーに目標ページ数を書き込んでいます。
この学校を選んだのは北海道トップクラスのデビュー実績に惹かれたから。在学中は出版編集部に向けての作品づくりに注力していました。そして出版編集部を何社も回ることで、自分に合う雑誌はどれなのか、自分に足りないところは何かをじっくり考えることができました。そんな中、同級生や先輩が賞を取ったり、仕事を貰ったという話を聞くと俄然やる気が出ていたことを思い出します。連載を抱えている時、毎週の課題や締切、趣味でやっている活動、出版社との打ち合わせなど自分でスケジュールを組み立てる力は、在学中の様々な取り組みのおかげで身に付いたことだと思いました。慣れもありますが、学生時代の方が忙しかったかもしれません。
いまはYouTube、X(Twitter)、InstagramなどのSNSや漫画アプリなどの発展により、絵・漫画を描く仕事の幅は広がっていると感じます。「雑誌で漫画を連載する」こと以外にも山ほど活躍の場があるので、柔軟に自分の得意分野を見つけることが必要だと思います。そして興味を持ったことはまず挑戦してください。何でもないと思えることでも、学生時代の体験や味わった感情は漫画家にとって財産になります。私も在学中は興味を持った場所へ行って写真を撮ったり、美味しいものを食べたり、東京開催のイベントやヨーロッパの研修旅行にも参加しました。そんな外出先で撮った写真は、作中背景の資料としていま大活躍しています。
漫画家/マンガデザイン学科/2020年卒/「幼い頃からの娯楽が漫画だった」という朝賀さんは、漫画には自然と興味を持ち、このときすでに将来仕事にしたいと思っていた。高校卒業後は専門学校に入学し作品作りに没頭する。先生方からアドバイスを受けながら何社もの出版編集部へ足を運び、自分のストロングポイントやウィークポイントを見極めながら力を養っていく日々を送った。連載を持つようになった現在も在学中から培ったチャレンジ精神は健在。作画の効率化・クオリティアップを目指し、最近は海外のCGソフトを使って3Dの背景を取り込んだりと、向上心は尽きない。