腕や足が動かないから何もできない…。障がいを抱える多くの患者さんがうつ状態になりがちです。そこでプログラムの中に日記を導入。“書いたら面談”を続け、患者さんに負のスパイラルに陥っている事に気付いていただきます。そこからは次のステップ。「自分の手で食べる」「散歩をする」「旅行に行く」など患者さんが自分らしい目標に向かって歩き出すリハビリをします。散歩が俳句作りにつながり、摘んだ草花で俳句ノートが作られ、さらには投稿へと発展。意欲が沸き元気を取り戻す患者さんを見るのが何より嬉しい瞬間です!このセルフ・カウンセリングのリハビリ技法は機能の障がいだけにとらわれず日常生活も同時進行で改善していくためのもの。超高齢社会の日本において誰もが楽しくより良く生きるため、さらに必要とされる分野だと感じています。
基礎評価学(関節の動きや筋力、感覚などを正しく計測し評価する技術)や運動学(呼吸や基本動作などの分析と文章化)など、作業療法士に必要とされる多様な知識・技術、グループディスカッション・レポート作成・プレゼンテーション力など業務遂行上必要とされる力を高めていきます。大切にしているのが実践的な授業。実際に身体に障がいのある方を招き計測を体験したり、食事や調理をサポートする自助具を手作りし、使っていただき改善を重ねたり。臨床現場を知る先生が、学生とリハビリ現場をつなげた生きた授業を展開しています。
患者さんの生活向上をどのように実現していくか、作業療法士の力量が大きく影響しています。「人の役に立ちたい」「人の気持ちに寄り添うことができる」。日本医療科学大学にはそんな学生が集い、学んでいます。
専門:身体障害・高齢期。1986年8月、群馬県生まれ。2008年3月に城西医療技術専門学校(前・日本医療科学大学)作業療法学科卒業。同4月に慈生会成増病院 リハビリテーション科に勤務。2012年5月に日本医療科学大学 保健医療学部 リハビリテーション学科に助手として勤務。2016年4月、助教に就任(同年、首都大学東京大学院修士)。埼玉県作業療法士会理事。埼玉県作業療法士会臨床実習指導者講習ほか多数の講師活動を展開中。