病院薬剤師として、調剤や抗がん剤の調製、薬局窓口での患者様への対応などを行っています。また薬剤部内では、新型コロナ感染症治療薬の電話による服薬指導も担当しています。お電話では患者さまから不安に感じていることをうかがったり薬に関して質問をいただくこともあり、その際は分かりやすく、丁寧にお答えすることを心掛けています。大事なのは、患者様の状況や背景を理解し、それぞれの患者様に寄り添った対応をすること。お話する際は患者様の状況をしっかり理解した上で、言葉選びや質問の仕方などを考えながら、必要な情報をお伝えしています。電話越しに患者さまから安堵の声が聞こえたときにはやりがいを感じます。
薬剤師の道に進んだきっかけは、高校1年のとき、調剤薬局で妹に丁寧に服薬指導をする薬剤師の方の姿をみて憧れたこと。吸入薬をうまく吸えない妹を温かい目で見守りつつ声掛けをしてくださった姿がとても印象的でした。横浜薬科大学には、薬学を幅広い視点で学ぶことができ、薬剤師<国>取得に向けたカリキュラムがあることに加え、以前から興味があった「漢方薬」を学べる環境にも惹かれ、進学を決めました。5年次の病院実務実習で他職種とともに患者様へ継続的に関わることで体調が回復していく姿を間近で見て、「将来的には私もチーム医療の一員として患者様に関わっていきたい」と考えるようになり、病院薬剤師を目指すようになりました。
2年次からの学内実習と臨床系科目に特に力を入れていました。学内実習では、実験中に現象や結果を自分の目で見ることで、その分野について理解を深められました。臨床系科目には、臨床現場に出て働くときのため、少しでも多く知識を落とし込むことを意識して取り組みました。ディスカッションや発表の機会も多く、コミュニケーションスキルも鍛えられました。仕事上、医薬品について患者様や医師から質問をいただいた際、添付文書や論文等で調べた内容を噛み砕いてお伝えしたり、患者様が普段使っている薬や採血データの結果などから、医師に処方について提案することもあり、医薬品情報学や薬剤学の授業で学んだことが活きていると感じます。
稲城市立病院 勤務/薬学部 漢方薬学科/2022年卒/今後は「病棟にあがって、患者さまの近くで薬剤師として関わっていきたい」と平山さん。そのために今は、日々の業務で関わった症例や処方を通して、薬や疾患に対する知識を深めている。医薬品は進歩が速く、新しい医薬品が日々世の中に出てきたり、医薬品情報が更新されることもたくさん。薬剤師には、新しい情報を常に取り入れる姿勢も欠かせないんだそう。「薬剤師が活躍する場所は多様です。強みや得意なこと、興味のあることを積極的に発信し、学んできたことをどのように社会へ還元していくか考えていくのも良いかと思います」と、薬学の道を目指す後輩たちへアドバイスを送ってくれた。