現在、1年以上入院している方が多く過ごしている慢性期を対象とした病棟で作業療法士として勤務しています。慢性期病棟では年齢や病状もバラバラで一人ひとり退院に向けて必要な部分が異なるため、対象者に合わせたプログラムを考え提供しています。1年目の時に初めて入院患者様が楽しみにしているイベントの企画・運営を任されることになり、先輩やサポートで入っていただいた看護師さんのフォローもあって無事にイベントを成功することができました。企画から運営まで初めてで大変でしたが、患者様から「今までで一番楽しかったよ」「今日撮った写真が欲しい!」などの言葉や喜んでいる姿を見た時に、大きなやりがいを感じました。
元々、心理学に関心を持っていたことに加えて医療従事者である母親から理学療法士を勧められ、リハビリへの関心も芽生えていきました。大学への進路を決める際に理学療法士について調べているうちに、精神疾患に対してリハビリを行う精神科作業療法士に偶然出会いました。当時、関心を持っていた二つの分野が合わさった職種を見つけ「この仕事をやってみたい」と思い始めたのがきっかけです。理学・作業名古屋専門学校は東京福祉大学通信教育課程との併修制度により併修修了後、大学卒業資格が得られるので他部門へ再就職を希望する際に幅広い施設や病院を選択でき、より自分にあった場所を探すことをできるのがメリットだと感じています。
実習で学んだことや経験したことが現在、業務をしていて役に立っていると思っています。特に、行動を阻害している部分に対しての評価や考察を行なう時です。最初は実習を行う際にケースレポートやレジュメを書いて何の意味があるのだろうと疑問に思うことが多々ありましたが、実際に働いてみて考察の仕方や深め方の練習を知らない間に行うことができていて、授業や実習をこなしてきて良かったと今では思うことができました。また、対話授業の際に何気ない豆知識が勉強していくうちに知識として繋がっていき、印象的であった部分は長期記憶化することができました。試験勉強の期間だけでなく、対話授業も含めて試験合格に繋がったと思いました。
作業療法士/作業療法学科 卒/2019年卒/大学のカリキュラムで社会福祉士や精神保健福祉士、心理士など幅広い職種について学んだことにより、多職種と相談や助言などを受けてより良い医療を提供できていると感じている佐藤さん。「現在、精神疾患の方を地域へ移行する方針に変わりつつあります。そのため、退院するために必要な病状の安定やADL・IADLの支援や練習を行い、よりよい地域での生活を過ごすことに繋がると思っています。まだまだ精神疾患で生活に困っている方がたくさんいます。そのような方に対して適切な援助や支援を行い、生活のサポートを行える職種だと思いますよ」と作業療法士の将来性について語ってくれた。