コンサートは音がなくては始まりません。演奏される音を客席に届けるのがPAエンジニアです。私は入社2年目ですが、コンサートツアーに同行することが多く、1年の半分は旅ですね。マイクを立てたり、スピーカーを吊ったり、アーティストの邪魔にならないようケーブルを這わせたり…といったステージ周りの仕事を主にしています。コンサートに欠かせない音を扱う仕事なので、一番重要な部分に携わっているという誇りを感じます。お客様が盛り上がっているのを肌で感じると、本当に嬉しいですね。アーティストさんの動線を考えながらステージ周りをセッティングし、「やりやすかったよ」と声を掛けられると、嬉しさも倍増します。
私は大学で理学療法を学んでいました。でも「自分が本当にやりたいことは何か」を自分自身に問い掛け、音楽の道に方向転換することに。子供の頃からピアノを習っていて音楽が大好き、中学・高校ではよくコンサートにも足を運んでいました。そこでPAの仕事の存在を知り、とても興味を持つようになりました。「アーティストと一緒にツアーに回れるPAになりたい」と目標を定めて専門学校を探し、TSM渋谷に入学しました。在学中、学校に募集が来ていたヒビノでアルバイトをスタート。ここで働くのは夢だったので、ヒビノ最優先、学校は二の次という感じでしたが(笑)、先生も応援してくださり、卒業後はそのまま入社することができました。
TSM渋谷は、半分業界みたいな学校です。機材が充実していて実践的な授業が多い。他コースの人と一緒に活動できる。プロの現場に近いものがあります。イベントには積極的に参加しましたね。学園祭ではPAのリーダーをやらせていただき、本当に勉強になりました。私の場合、在学中からヒビノでアルバイトを始めることができましたが、業界とつながりが強い学校だからこそ可能だったのだと思います。実際に現場で働くようになって感じるのは、どんな厳しい現場でも楽しさを見出せることが最も大事だということ。誰でも怒られますよ、現場に出ると(笑)。そんな中でも楽しめる強さを、在学中に経験を積みながら養ってほしいですね。
ヒビノ(株)PA課/コンサートワールド PAエンジニアコース/2019年3月卒/大学に通っていたがPAを目指して中退し、TSM渋谷に入学。「ライブハウスが多い渋谷に学校があるのも魅力的で、実際にライブハウスで実習をするなど授業でも活用されます。PAのプロから直接教えてもらえるのはすごいこと」。在学中からヒビノでアルバイトを始め、卒業後に入社。現在PAエンジニアとして活躍中。「まずは、演奏しているアーティストさんに音を届けるステージモニターの担当が目標、さらに次の段階として、客席を担当するチーフPAエンジニアを目指します。いずれはアーティストさんに指名されるPAエンジニアになりたいです」