私にとって洋菓子とは「いろいろなことを考えさせてくれるもの」です。私は社会に出てから、ホテル、チェーン店、個人店、メーカーなどさまざまな場でお菓子作りに携わってきました。長年に渡ってお菓子づくりをしてきて思うのは、技術はただ指導を受けるだけでは上達しないということ。たとえば師匠から「基礎が大事」と言われたら、なぜそれが大事なのかを自分で考え納得したうえで行動することが大切なのです。お菓子作りにおいて大切なことを理論づけて自分で考えられるようになると、理解が深まり「うまくできた」という喜びにつながります。そうして、ひとつひとつステップを重ねていくことが職人としての成長ではないかと思うのです。長い道のりではありますが、「自分の成長を実感しながらモノ作りができる」それがお菓子作りの魅力です。
先生の授業では、お菓子作りの土台と基礎の徹底を大切にしています。実技テストでは、完成したものだけを評価するのではなく、各工程における手順がきちんと守られているかも細かくチェックして採点します。合格点に達しなかった場合は、なぜダメだったのかを学生に問いかけ、その原因と基礎の大切さを改めて指導します。「私の役目は、卒業後にお菓子作りの現場で最低限の仕事ができるための基礎を身につけさせること。そのためにも自己流ではなく正しい手順に沿ってお菓子を作ることの大切さを繰り返し教えています」と山口先生。
お菓子作りはやる気次第。経験は一切関係ありません。「将来は自分の店を持ちたい」「有名パティシエになってメディアに出演したい」など、何でもよいので目標や野心を持つことが「伸びる」秘訣です!
洋菓子の専門学校卒業後は、横浜市内のホテルに就職し、洋菓子ではなく調理を数年間担当。以降、洋菓子店の立ち上げ、メーカーでのメニュー開発、ホテル、チェーン店、個人店などでお菓子作りを究める。「本校のよさは、先生と学生のほどよい距離間。また実習設備の充実も大きな魅力だと思います。今後はカリキュラム編成にも力を入れ、より学びやすい環境を整えていきます」と山口先生。