作業療法士として30年間、一貫して高齢期の生活の支援に取り組み、現在も臨床現場で支援を行っています。作業療法の目的は、できることを少しでも長く行えるようになってもらう、あるいは、できないことがあれば一つでも解決し望む生活に近づいてもらうこと。そのために、関節可動域の訓練から就労の支援、趣味活動の開発まで、作業療法が必要とされる場面は多岐にわたります。私は「作業療法は科学」だと考えています。日常生活も就労も趣味も、そこで人が行うことはすべて作業であり、それがどの筋肉や関節を使い、どのように脳や感覚が働いているのかを知らないと、作業を遂行させる方法は見えてきません。科学的に作業を捉え、あらゆる生活行為を支援できる作業療法士の育成に力を入れています。
作業を科学的に分析するためには、「解剖学」「運動学」「生理学」を学び、人体の構造や仕組みをしっかりと理解しておく必要があります。大友先生が担当する「解剖学」では、その知識を確固たるものにするため、様々な工夫が行われています。動画や骨模型などを多用することで理解しやすい授業を展開するとともに、取りこぼしがないように単元ごとのまとめ、小テスト、追試、補講、課題プリントなどを小まめに実施。学生一人ひとりに対して、理解から知識の定着までを手厚くサポートしています。
作業療法士には、対象者の生活を幅広く捉える力と、それを科学的に分析できる力が必要です。その両方を着実に身につけ、対象者の生活をワンランク上げることができる作業療法士をめざしましょう。
作業療法士として高齢者を対象とした医療機関や福祉施設に勤務後、大阪保健医療大学などで教員を務め、現在に至る。病院や大学での在職中には、座位訓練の研究に取り組んだ。
「作業療法学科は専門実践教育訓練指定講座※に認定されているので、作業療法士に興味があれば社会人の方もぜひチャレンジしてほしい」と話す。(※受給には条件有。 詳細は厚生労働省HPをご確認ください)