要介護者を対象にした通所リハビリ施設に勤務して3年目。病院でのリハビリに比べて1回のリハビリ時間は短いですが、数年単位で通所されるため、より深く利用者様の生活を支援できます。たとえば利用者様が「買い物に行きたい」と希望された時は、買い物のどの場面が困難なのか、さらにその動作が出来ないのは姿勢なのか、筋力なのかといった原因を探っていく必要があります。身体から生活環境まで幅広い視点からリハビリを組み立てる力を求められる仕事。難しさはありますが「生活が充実している」という嬉しいお言葉をたくさん頂けます。身体が良くなるだけでなく、生活が豊かになっていくことを実感してもらえるのが何よりのやりがいです。
以前はスポーツクラブでインストクターとして働いていました。そこで高齢者の方から腰痛や肩こりなど様々な悩みを相談されるも、インストクターの知識では限界を感じたことがきっかけです。リハビリの専門家として正しい知識と技術で高齢者の方の悩みに応えたいと思い、30代から理学療法士の国家資格にチャレンジ。仕事はもちろん家庭のことや子育てと学業を両立する必要があったので、夜間3年間でいち早く国家資格がめざせ、「専門実践教育訓練指定講座※」に認定されている本学の理学療法学科を選びました。不安は大きかったですが、幅広い年齢の方が夢に挑戦していることが刺激になりました。(※受給には条件有。詳細は厚生労働省HPへ)
3年間の学びの中で、いちばん心に残っているのは3年次の長期実習で感じた悔しさ。背骨を骨折された患者様を担当した際、背骨だけにしか目を向けず、思うような結果を得ることができませんでした。背骨の骨折であっても筋力低下や栄養不足、他の関節への影響など様々な原因が痛みや症状につながっていることがあります。そうした原因を捉えることができず、狭い視野だけでリハビリを考えていた自分の未熟さを思い知らされました。焦ると周りが見えなくなる私に先生がよく言ってくださったのが「まずは落ち着いて視界を広げてみよう」という言葉。今もその言葉を思い出し、幅広い視点からリハビリを考えることを大切にしています。
医療法人紀和会 介護老人保健施設アイリス堺正風/理学療法学科/2019年3月卒/高校時代からスポーツに関わる仕事に就きたいと考え、大学で健康スポーツ科学を学び、インストラクターになる。その後、理学療法士への転身を考え、大阪リハビリテーション専門学校に入学。卒業後1年間、回復期病棟に勤務し、2年目から介護老人保健施設アイリス堺正風に勤務する。高校生の皆さんには「『困っている人を助けたい』『社会に貢献したい』という思いがあれば、理学療法士の素質アリ!ぜひ一緒に理学療法士として社会に貢献していきましょう。」とエールを送る。